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恋愛実践録22

「寂しさは癒えなくても、共に命懸けで戦った事が、大いなる力になりますから」と客は言った。

ホスト亭主が言う。





「でもいずれにしろ旦那さんは戻っては来ないし、逆に寂しさは募るばかりじゃありませんか。再三言いますが、それは十分予測出来る事柄ですよね。それは承知しているのですか?」





客が答える。





「それは重々承知しています。でもこれで私は憎しみを晴らす為の敵討ちを実行に移す事が出来たのですから、満足です」





間を置いてからホスト亭主が念を押すように言う。





「例えばこの敵討ちが成功しても、あの愛人は何食わぬ顔で自宅に帰り、自分の悔しさや寂しさを貴女の旦那さんに癒して貰えますが、相反して貴女の根本的な命の寂しさは誰も癒してくれる人がいないじゃありませんか。その事柄を踏まえた上でも、この敵討ちにその寂しい命を懸けてまで、遂行する価値があるのですかね?」




客が断言する。





「この敵討ちを断行して、この敵討ちが成功しようが失敗しようが、私の寂しさは募るばかりだと言うのは事前に予測していた範囲内です。でも私がこの敵討ちに命を懸け、そして貴方も命を懸けて戦ってくれた事が、その一体感が、その寂しさを癒してくれる事は間違いない事実だと思います。私はそれを大いなる力として生きて行けますから」





ホスト亭主が恭しく頷き言った。





「分かりました…」

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