恋愛実践録157
「迎え撃つ不意打ちは効率が良くないと言いたいわけね?」と愛人は自問自答を繰り返し、戦略を練り直す。
旦那が寺から立ち去った直後に、トイレとシャワーを済ませ、愛人がコップ一杯の水を飲み、息をついて、戦略の見直しを図る為に自問自答を繰り返す。
「相手はこちらが襲撃しないものだと思い込んで、不利を承知で偵察して来たわけよ。そこに付け入る隙があるのではないのかしら?」
「それはどういう意味?」
「だから例えば貴女が旦那の偵察の直後、もう暫く偵察及び襲撃は無いという思い込みの本に、そのビハインドを利してトイレとシャワーを浴びたのだけれども、考えてみればシャワーやトイレも寝込みと同じく隙だらけであり、襲撃するにはうってつけのタイミングと言えるじゃない」
「遠回しな事を言わないで、ずばり要点を言ってみてよ?」
「だから旦那はこちらが襲撃しないものだと思い込んでいる節があるから、それを逆手に取って、貴女が相手を襲撃すれば上手く行く可能性が高いと私は思うのよ」
「つまり相手があわよくば襲撃する含みを入れた偵察に来たのを、やり過ごして、相手が自分のアジトに戻り、襲撃は絶対に無いという思い込みの本に、シャワーやトイレをしている時に襲撃するやり方ね?」
「現状の事の推移を鑑みて、一番効率の良い襲撃方法はそれしか無いと私は思うわ。違うかしら?」
「迎え撃つ不意打ちは効率が良くないと言いたいわけね?」
「相手が警戒している分、隙が無いから、効率は悪いのよ。私はそう思うわ…」