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恋愛実践録147
そして旦那が眠るならば離れの鍵が掛かる二階部屋しか無いと、愛人は狙いをつけ、それを突破する方法は無いかと、そぞろ考えた。
愛人は考える。
寺には沢山の居間があり、外に出ない限りは身の自由は保障されている。
そして慎重に探索した結果、寺の内部には旦那はおらず、いるとするならば離れしかないと狙いがついた。
寺の居間には内部から鍵が掛かる部屋は無い。
ここは牢獄と言うよりも既に戦場なので、居間の外に掛かる鍵は全て取り除かれている。
だから離れの様子を注意深く窺いながら、眠る時には、入口に重い物を置き、旦那の侵入襲撃に備えるしか手は無い。
だが身の自由が保障されているのはあくまでも寺の境内だけであり、外に出る事は絶対に無理だというのも分かった。
そして旦那が眠るならば離れの鍵が掛かる二階部屋しか無いと、愛人は狙いをつけ、それを突破する方法は無いかと、そぞろ考えた。




