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恋愛実践録146
愛人が戦略を練っている頃、それに符牒を合わせるように旦那も殺す方法を自問自答する。
愛人が戦略を練っている頃、それに符牒を合わせるように旦那も殺す方法を自問自答する。
「持久戦になれば刺し違える可能性も出て来るから、一気に勝負をつける必要性があり、武器が必要だな。何か無いか?」
「心臓を串刺しにするにしても箸では脆くて駄目だな。武器にならないし…」
「丈夫という点でフォークを調達するのはどうだ?」
「それはいいが、愛人の方にも同じ武器があれば、いざ組んず解れずの格闘となった場合一丁では弱いのではないか?」
「ならばフォークとナイフを両手に持ち、双剣にすれば良いではないか?」
「そんなの調達可能か?」
「フォーク二丁よりは、食事の時に注文するには自然で適切だから調達は容易いと思うがどうだろう?」
「それはそうだが、双剣はいざ寝技になった場合、防御出来ない分、逆に不利なのではないか?」
「ならばフォークとナイフを調達して、一つは予備として懐に忍ばせ、フォークを片手に闘いを挑むしかあるまい」
「分かった…」




