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恋愛実践録141

「そんなのはあの愛人が全部やった事であり、俺のせいでは無い。だから俺に罪は微塵もなく、俺は死ぬ理由なんか一切無い。それだけだ!」と旦那は未練がましい自問自答を繰り返す。

居間の中、大の字になりつつ全身の打撲傷が痛むのでうめき声を上げながら、旦那は考える。





後悔先に立たないと言うが、妻が改めて他の男の物になると思うと、未練がもたげて来てどうにも悔しい。





出来れば妻の処に戻り、再度土下座をしてでも許しを請い、何とか寄りを戻したい。





それに反して愛人に対する未練は全く無くなっている。





だからこんなやけどじみた浮気を理由に死にたくは無いと、旦那はつくづく思う。





どうにか逃げる方法はないかと、旦那は自問自答を繰り返す。





「ここは牢獄ではないから、何処かに逃げ道がある筈だろう?」





「いや、しかしこの寺は外部からの侵入にも、内部からの脱出にもほぼ完璧に備えた正に要害要塞寺ではないか。逃げ道なんてあるのか?」





「俺は浮気はしたが、たかがこんな浮気なんかで死にたくは無いんだ。絶対に死んで堪るものか!」





「だが、お前は今回の事で無関係な大勢の人の尊い命を奪ったではないか。それは罰を受けるべき罪ではないのか?」





「そんなのはあの愛人が全部やった事であり、俺のせいでは無い。だから俺に罪は微塵もなく、俺は死ぬ理由なんか一切無い。それだけだ!」

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