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恋愛実践録139
「この不安を取り除くには、敵に完全勝利するしか道は無いけれども、その勝算は全く無い状況だから、正にお手上げ状態だしな。どうしたものかな…」とホスト亭主は嘆息した。
病後のけだるさにホスト亭主がため息をつき言った。
「家族の心が少しずつ離れてばらばらになって行くな。これでは奴らの思う壷だな…」
妻が頷き答える。
「元々在った種が芽をふき、その因子が成長して悪い意味で心をばらばらにして行っているのよ。これは来たるべくして来た家族全員の災厄よね」
ホスト亭主が情けない顔をして、しきりに頷き答える。
「そうだな。こうやって不安にかられて心がばらばらになり、やがて収拾が付かなくなり危機を迎え、崩壊して行く図式なのだろうな。何とか不安を取り除く道を探さないと駄目なのだろうな…」
絶望感を湛えた目付きをして、妻が答える。
「何かいい方法は無いのかしら?」
ホスト亭主が再度ため息をつき、憂いを湛えて言った。
「この不安を取り除くには、敵に完全勝利するしか道は無いけれども、その勝算は全く無い状況だから、正にお手上げ状態だしな。どうしたものかな…」




