恋愛実践録135
客が無表情のまま、狼狽し取り乱している愛人に向かって渾身の力で一発平手打ちをかましてから、電動バリカンのスイッチを入れ、情け容赦なく愛人の頭部に当てがって行き、つんざくような愛人の絶叫が部屋中を満たした。
父親が立ち去り、それに愛人が縋り付こうとするのを屈強の男達が取り囲み、強引にひざまづかせた。
それに向かって客がおもむろに近寄り、ハンドバッグから電動バリカンを出した。
そのバリカンを見て、愛人が取り乱し泣きわめく。
「何よ、それバリカンじゃない!それで何をするつもりなのさ?!」
愛人の動きを封じている男が低い声で言って退ける。
「尼になるのに黒髪は邪魔だろう。だからこちらが善意で切ってやろうというのさ。有り難く思え」
これ以上無い程に愛人が泣きじゃくり、わめき立てる。
「止めてよ、この髪を伸ばすのに十年位かかったのよ。この髪は私の命なのよ。だから切らないで頂戴、後生だから!」
客が無表情のまま、狼狽し取り乱している愛人に向かって渾身の力で一発平手打ちをかましてから、電動バリカンのスイッチを入れ、情け容赦なく愛人の頭部に当てがって行き、つんざくような愛人の絶叫が部屋中を満たした。




