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恋愛実践録129

神経をやられ、妻が錯乱状態に陥るのを、満身創痍のホスト亭主が懸命に宥める。

「あの子、まだ学校から帰って来ていないじゃない。ねえ、どうしてなの、貴方、教えてよ、教えて？！」

神経をやられ、妻が錯乱状態になるのを同じく満身創痍のホスト亭主が妻の身体を揺さぶり懸命に宥める。

「しっかりしろ、あの子はまだ帰って来る時間じゃない、まだ学校にいるから心配無い、しっかりするんだ！」

妻が自分を取り戻すように、ホスト亭主の顔を直視してから、しきりに頷き、ホスト亭主に向かって謝罪する。

「御免なさい。そうよね、あの子はまだ学校にいる時間よね。私、前後不覚してしまって取り乱してしまった。御免なさい…」

ホスト亭主が冷静な口調で念を押す。

「とにかく気をしっかりと持つんだ。我を失ったら、奴らの思う壷なんだ」

妻が涙ぐみつつ頷き、答える。

「分かったわ。御免なさい、貴方…」