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恋愛実践録126

「もう伸るか反るか警察に相談するしかないじゃない」と妻が疲労困憊するホスト亭主に言った。

登校途中の小学生の列に車が突っ込み、一人が重体、二人が重軽傷を負うという惨事がテレビ報道された直後、ホスト亭主の電話に再度脅しメールが届いた。





愛人はメディアが垂れ流しする悲惨な事件や事故を活用して、ホスト亭主にその都度間接的に脅しを掛ける卑劣な戦術を取っている。




それに対してホスト亭主は客との誓約を守り、家族を絶対に護り抜くという固い決意の本、満身創痍の呈で応戦しているのだが、心身ともに疲労困憊し切っており、それを見兼ねた妻が深くため息をつき提案した。





「もう警察に届けようよ。その脅しメールが確たる証拠になるのだし、これ以上我慢していたら、貴方がどうにかなってしまうわよ?」




ホスト亭主が血走った眼で妻を見つめてから言った。





「だが、それをして例えば警察が動いたとしても、せいぜいメールを送った奴が事情聴取を受けるだけで、俺を脅しているボスには到底司直の手は届かないだろう?」




妻がホスト亭主の言葉を首を振り否定する。




「でもここまで来たらそのボスが警察に手を回しているという目測を度外視しても、伸るか反るか、助けを求めるしかないでしょう。貴方の命が掛かっている状況なのだから。こんなの立派な殺人未遂じゃない。違う?」





ホスト亭主が自分を奮い立たせるように一度深呼吸してから答える。





「分かった。伸るか反るか、明日警察署に行って相談してみよう」

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