恋愛実践録119
ホスト亭主は途方に暮れ、仲間に救援要請を出したが、皆拒絶した。
一人では到底家族を守り切れないとホスト亭主は判断し、仲間のホスト達に事情を説明して、暫時救援要請をして行く。
「頼む、無理なんだ、俺一人では家族は護り通せない。協力してくれないか、頼む?!」
店のホスト仲間は全員拒み、例え電話が繋がり、他の仲間に要請が出来ても、相手は判で押したように同じ反応を示し「それをしたら、俺の家族を殺されてしまうからな。今回はすまないが、協力出来ない。すまん」と皆異口同音に断り、電話を切ってしまう。
途方に暮れ、ホスト亭主は善後策を練るべく自問自答を繰り返す。
「うーん、どうすればいいんだ?」
「こうなったら家族を家から外に出さず、篭城作戦を敷くしかあるまい」
「しかし女房は雑用、買い物とか行きたがるし、子供は学校に行かないと駄目じゃないか。それはどうするのだ?」
「命には代えられないからな。買い物などネット通販でやればいいじゃないか。子供は学校を休ませ、篭城あるのみだ」
「しかし休ませるにしても限界があるだろうし、不可抗力で学校に行きだしたら、どうする事も出来ないではないか?」
「朝夕学校への送り迎えをお前自身がするしかあるまい」
「朝は登校班で行くし、俺が付き添うのは変則的ではないか?」
「子供の命には代えられないからな、子供会に事情を説明して、付き添うしかあるまい?」
「分かった…」




