恋愛実践録118
ホスト亭主の電話に(お前が自殺しなければ、家族を殺す)というメールが届いた。
ホスト亭主の電話に(お前が自殺しなければ、家族を殺す)というメールが届いた。
メールの差出人は知り合いのホストだ。
愕然として戦慄するままに、ホスト亭主は震える手で差出人のホストに電話を掛けたのだが、相手は出ようとしない。
留守録設定もされておらず、際限無い程に呼び出すのだが、どんなに呼び出しても、相手は頑なに出ようとしない。
そのまま一旦電話を切り(どういう事だ。詳細を聞きたい。返信してくれ)と送信したのだが、どんなに待っても返信は来ない。
苛立ち混乱しながらホスト亭主は自問自答する。
「これは愛人の差し金か?」
「そうだ。間違いない」
「どうすればいい。俺はどうすればいいんだ?」
「相手の言いなりになれば、お前も家族も全員命は無い。とりあえず家族に張り付き、家族をお前の手で護るしかないだろう。違うか?」
「それはそうだが、これは明らかに殺人予告脅迫ならば、警察には届けるべきだろう?」
「手が回されているから、警察になんか届けたって無駄だ。家族を護れるのはお前しかいないではないか?!」
「分かった。そうしよう…」




