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恋愛実践録113

「仕方ないではないか。この状況では死ぬ以外俺に何が残されているというのだ?」と元リーダーは自問自答を繰り返す。

求職活動もままならず、日を追うごとに生活が困窮して行く中、元リーダーは生命保険の約款を精読して、その細かい条項をつぶさに把握する。




昔とは違い、行方をくらまし自殺しても保険金は降りる事を確認して、元リーダーは胸を撫で下ろした。





己が愛人の情け容赦無い粛清を受けず、自分が死んだ後も家族を生かすのは、この手しかないと元リーダーはそぞろ考える。




そして元リーダーは寝不足の血走った眼を凝らし自問自答する。





「お前は本当に死ぬつもりでいるのか?」





「仕方ないではないか。この状況では死ぬ以外俺に何が残されているというのだ?」





「家族を残して本当に死ねるのか?」




「俺は家族の為に死ぬんだ。俺が生きていても家族に迷惑がかかるばかりだからな」




「家族に必要なのはお前の情愛であり、けして金なんかじゃないだろう?」





「そんな事は重々承知した上で俺は死ぬ事を決意したんだ。俺が生きていたら、やがて家族はあの愛人に皆殺しにされるか、さもなければ飢え死にするしかない。だったら俺が死んでその最悪のケースを何とか回避するしか手は無いではないか!」




「本当に死ぬつもりなのか?」





「俺だって死にたくなんかないさ。でも仕方ないではないか!」

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