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恋愛実践録111

「息子は殺してもいいけれども、俺は心外どころか御勘弁して下さい、姫というところで、平に御容赦の程よろしくお願いします、姫!」と旦那は喚いた。

人質作戦、一族の誇りを賭けた粛清は無慈悲に冷酷なる行使を以って徹底的に為された。




その金権力は巨大なる組織の顔ぶれを刷新一新させて行った。




その夥しい数の人海戦術に依る粛清は、整理された者達への容赦ない後追い調査、怪しい動きを牽制し、怪しい動きを少しでも見せようものならば「お前の一族を皆殺しにするぞ」の脅し恫喝が 鋭意成され、実際にその脅し通り、一族の者が全員集団自殺を図るという事件が勃発し、世間はそのエキセントリックな報道に震え上がった。




一連のそんな報道をテレビで観ながら、旦那が驚嘆の声を上げる。




「凄いな。姫の一族の力は!」




得意満面の笑みを湛えながら愛人が答える。




「でしょう。私の一族はこの国を事実上裏から操っているのよ。だから私に逆らう事は、その者の一族を死滅させる事に繋がっているの。絶対に証拠など残さずに粛清、皆殺しを図るのよ」





「女房もこうなる運命なのか?!」





愛人が眼を細め否定する。





「いえ、あの人の身内は人数が少な過ぎて、皆殺しにはならないわ。それに息子を殺され、戸籍上の夫たる貴方を殺されるのは、貴方も心外でしょう?」





旦那がかぶりを激しく振り、驚嘆の声を再度上げた。





「息子は殺してもいいけれども、俺は心外どころか御勘弁して下さい、姫というところで、平に御容赦の程よろしくお願いします、姫!」





その様子を見て、愛人が冷淡な口調で答えた。





「分かりました」

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