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恋愛実践録110

「その通りね。あの本妻は愚か過ぎる蟻ね」と愛人は言った。

旦那が好戦的な笑みを頬に湛え言う。





「つまり女房は蟻ん子のくせに、姫たる象に喧嘩を売ったのだな?」





愛人が頷き旦那の言葉を認める。





「そうね。眠れる獅子たる我が一族を、あの蟻たる本妻はゆり起こして己の墓穴を掘ったのよ。愚かしくもね」




旦那が卑屈な調子で体を揺すりくくくと笑い言った。





「蟻ん子じゃ、触れるどころか、指一本出せずに踏みにじられてお終いじゃないか。お笑い草だな」





愛人が首を振り否定する。





「いや、違うわ。本妻は自分の練った策に溺れ、自分が蟻である事を自覚出来ない愚か者の蟻なのよ。自分が私と同じ象だと勘違いしているのよ。憐れにもね」





「自分を象だと勘違いしている蟻か。まるで裸の王様だな。そりゃ、姫?」





愛人が頷き言った。





「その通りね。愚か過ぎる蟻ね」

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