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恋愛実践録108
「成る程。神では無いから、こちらの未来に起こり得る不整合な動きは読めないという事か?」と旦那は愛人に向かって言った。
旦那が言葉を付け加える。
「しかし女房の金の動きを興信所は特定出来ないではないか。そこはやっぱり人間の行いには完璧無し。油断大敵なのではないかな、姫?」
旦那の言葉を吟味する間を置いてから愛人が答える。
「それは向こうの雇った興信所がブロックし、改竄したり改変したりしているから、どうあっても掴めない話しであり、この話しのここがポイントとなるのだけれども、私がアトランダムに選別した言わば刺客を、あの本妻が予め予期し、準備小細工する事は絶対に不可能、そんなの人間業ではなく、神の所業であり、本妻は神には程遠い存在なので、その点だけは、こちらの策に不備は全く無いと思うの。だから万全と断定断言出来るのよ。私はそう思うわ」
旦那が頷き言う。
「成る程。神では無いから、こちらの未来に起こり得る不整合な動きは読めないという事か?」
愛人が恭しく相槌を打ち答える。
「そうね」




