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恋愛実践録103

そして己は万感くした敵討ちの本懐を遂げ、遠い空になれると、客はそう念じ、目頭に浮かんだ涙を指で拭った。

食事を済ませ、伽藍とした部屋の中で客は独り感じる。





電話も鳴らず、生活音の無い不気味とも言える静寂の中に、既に女々しい寂しさは一切排除されなく、あるのは愛人との熾烈なる神経を削る攻防戦の意味合いだけだと。





三竦みの音無き神経戦は、音が無い故にその戦いの熾烈さが不気味に伝わって来る。




この熾烈なる戦いに負ければ、自分の命はおろかホスト亭主の命も無いだろう。





己の命が滅っする事は覚悟の上恐れはないが、愛しい人の命は何が何でも護り通さなければならないと客は強く念じる。




然るに負ける訳には絶対に行かない戦いであり、勝つ為の戦術は万端全て施した。





後は勝負の女神がどちらにほほ笑むかだけが問題となる。





弱気になり、負けると思ったら負けなのだと直感し、客はひたすら全身全霊勝つ事のみを念じ続ける。





勝てば愛しい人の命を助けられる。





そして己は万感くした敵討ちの本懐を遂げ、遠い空になれると、客はそう念じ、目頭に浮かんだ涙を指で拭った。

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