表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

ノーバディーズ・フール

作者: じゅんこ

2月の海水浴場に来る人間は誰もいない。

ただ1組の若い男女が立ち寄るぐらいである。

打ちつける波音と海風が、2人を押し戻していた。

慶子はふと後ろを見る。敦は、彼女を見つめたままだ。


「本気だってことがわからないの?」

「なにが」

「…もう、こんなのやめにしたい」

「別れたいのか」

違う、と慶子は否定した。しかしそのあと続く言葉は出なかった。

敦に言いたいことはたくさんある。

けれどもどう言えばいいのか、彼女には分からない。

会話はそこで終わった。


海風が通り抜けてゆく。砂ぼこりが激しく舞い上がる。

2人は目をくらませた。

少しの痛みと暗闇ののち、敦は目を開けた。

そこに慶子の姿はなく、

むなしく波音が遠ざかっていった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ