第一話 学園と寮
「…ろ。は…お…ろ。早く起きろ!」
暖かい春の日差しが窓から差し込む部屋で男子2人の睡眠は怒鳴り声で妨げられた。
「ほわーあ。」
イヤホンをつけたセンター分けで垂れ目の男子とは大きく伸びをしたのち起き上がった。
「やっと起きたか大川。」
布団のすぐそばで腕を組んだセンター分けの背の高い男子はイヤホンを外しながら立ち上がろうとする男子にそう言った。
「ごめん平木。二度寝しちゃった。」
大川と呼ばれた男子は頭を掻きながら腕を組んだ男子に謝った。
「そうだ!大川起きるのが遅いぞ!」
起き上がった大川の隣の布団からそんな声が聞こえた。その声の主はまだ布団の中だ。
「おら起きろ越!」
部屋のドアの方から突然声が飛んできたため大川はビクリと肩を震わせた。
「濱中〜もう朝〜?」
怒鳴り声で起き上がった越と呼ばれた短髪の男子はそんなことを口にした。
「寝ぼけたこと言ってないでさっさと1階に降りてこいよ。」
ドアから怒鳴り声をあげた濱中と呼ばれた男子はそう言い残すと2階から1階へと降りていった。
「ん?」
大川はまだ眠たそうな目で濱中に続き部屋を出ていこうとする平木の服をよく見る。
「なんで平木もう着替えてリュック背負ってるの?」
大川と同じように平木を見た越は焦ったように平木に聞いた。
「なんでって、もう8時20分だからだけど。」
呆れたように平木が言うと、ハァ!?という大川と越の悲鳴に近い声が響き渡った。
光修高校は35分に完全登校になっておりその時間までに着席してないと遅刻になってしまう。
大川と越が階段を駆け下りて行くと1階の玄関が正面に見えたが、既に5人の少女が靴を履き替え待機していた。
「起こしてよ!?みんな!?」
大川が玄関にいる複数人に文句を言う。
「一応、起こそうとはしたんだけどね。」
バックを持った綺麗な黒い長髪の少女は優しくそう口にする一方で、その隣でバックを背負った黒い長髪の女子は、
「自業自得よ。バーカ」
と言った。
うるせぇバーカと思う2人はリビングへ駆け込もうとした際にバックを持ったパーカの少女にぶつかりそうになった。
「おわ!2人共朝食は机にあるから遅刻しないようにね〜。」
「あんがと芽美。」
遅くまで寝ていた2人の分まで朝食を用意してくれたパーカの少女、芽美に感謝を言った。
芽美は合流した平木、濱中とともに玄関の方へ行き玄関に集まっていた少女たちと先に学校に行ってしまった。
大川は机の上に出された魚にサラダ、白米を見ると大声で言った。
「RTAスタートだ!」ー
ー「はぁはぁ、ギリギリセーフ。」
越と大川の2人はクラスに駆け込むと肩で呼吸をしながら言った。
時刻は8時33分25秒ほんとにギリギリだった。
最初は、遅刻してもよくね。という考えが2人の中にあったものの、始業式から遅刻はまずいと感じたため、寮から学校までの道のりを全力ダッシュで登校した。
「2人共息ピッタリですね。」
同じクラスには芽美の姿があり、2人は芽美に笑われてしまった。
その後、春先の学園では始業式が行われた。
ー私立光修大学付属高校ーこの学校は私立の中でもかなり有名、いわゆる名門大学の付属校である。この高校は普通科と情報科に分かれており寮があるのが特徴である。
「フー」
体育館の静寂で自分の声が目立たぬように濱中はため息をついた。
濱中 要名前が女子っぽいが身長175cmの普通科のれっきとしたお調子者の男子である。めちゃめちゃヲタクだが、生徒会をやっているためコミュ力はある。
「俺たちもこの学校に来て2年か。」
校長の話の途中で濱中の後ろからボソリとつぶやくような声がした。
「なんだ平木か…。」
平木 奏也普通科に通うテニス部男子。真面目だが少し抜けている所があるほか、濱中や大川のやらかしでよく先生に呼ばれる、という少し不憫な男子だ。
「あんたら喋んないの。先生が話しているでしょうに。」
丁寧な口調で話す銀髪に美しい青い瞳をした小さな少女に2人は注意された。その少女は真っすぐ前をているが恐らく校長の姿はその身長ゆえ見えないだろう。
Leisha Langreidイギリス出身の彼女は貴族家系で階級は一番高い公爵となっており馬鹿ほど金持ちである。
「つまんねぇから仕方なくね?」
男子2人の変わりに回答をしたのはレイシアの隣にいる背の高い黒い長髪の女子だった。
巧見 怜身長172cm成績優秀、顔もいい、運動も抜群であり、所属する剣道では1年のうちに県大会まで進んだ。男子からの人気は高いらしいが喧嘩っ早い性格である。
「怜もちゃんと聞いていなさい。」
「聞いてはいるし、身長120cmのあんたと違って見てもいる。」
「心の器と反比例するのよ。あと、120cmじゃなくて128cmよ。」
濱中と平木の後ろで淡々と小声で話す2人だったが、2人がライバル意識を持っているからなのか、喧嘩に発展しそうであった。
「何メモってるの?」
一方で前の列では赤い眼鏡をかけた少女が隣の茶色のスーツジャケットに赤いネクタイ、茶色の半ズボンに身を包んだ少女に疑問符を飛ばしていた。
「校長先生のお話しですよ。生徒会新聞にでもしようかと。」
そう言って横を向いたその手には茶色の手帳と赤色の万年筆が握られていた。
紅月 椛生徒会書記の彼女は生徒会新聞を書いているのだが、ドのつくほど天然である為、よく漢字を間違えて先輩に直されている。
「ネタがつまんなきゃ新聞もつまんなくなるよ?」
そうネガネの少女が言った時にはメモに夢中で椛は聞いてはいなかった。
古見郷 真希ポーカーフェイスであまり表情を変えない彼女は、読書がとにかく好きで学校の図書館の本を全制覇している記録をもつ。
彼らの列から少し離れたところにはキョロキョロと周りを見わたす男子がいた。
大川 優斗情報学科に通う彼はお調子者すぎて困るくらいの男子だが、悪い奴ではないため、愛すべきクソガキとなっている。
「キョロキョロすんな大川。」
隣から野次が飛ぶ。
大洗 越情報学科で一番数学が苦手な彼は中学校3年の時に大好きなVTuberをモチーフにしたアニメーションを大川と作り、この高校に推薦されてきた。
「情報学科と普通科は並ぶとこ結構離れてるから椛達は見つかんないと思うよ〜。」
後ろから2人の間にピョコっと顔を出したパーカの少女が大川の考えを読み取ったのかそう言った。
榁風 芽美常にポジティブ思考でハイテンションな彼女はその性格からか分け隔てなく誰とでも仲良くなれる。料理がすごく上手で寮では進んで食事を作っている。
「そうかー確かに見つかんねぇな。」
と大川。
そんな3人とまだ嫌味の言い合いをしている怜とレイシアを見てため息をつく者が壇上の端にいた。
染井 淋彼らのいる寮での唯一の3年で皆のお母さん的立場にいる人だ。この学校の首席で生徒会長もやっている彼女によって個性派の集まる高校寮A (アルファ)は崩壊せずにいる。
「他の生徒もそうだが進級の自覚がまだないな、これは昨年に引き続き寮で問題が起こって私が頭下げることになるだろうな…。」
淋はそう思い体育館後方の窓に目を向けた。
校長の言っていた通り今日は快晴だ。ここから1年また生活が始まるのである…
こんにちはレシ猫です。
今回と次回は各キャラの性格や特徴を説明するような感じになっており退屈させてしまうかもしれません。
ンキャラが多い本作ですが、ちゃんとそれぞれの恋愛を丁寧に書いていく予定です。
甘酸っぱい恋愛、そして青春をお楽しみいただけると光栄です。各キャラの見た目などは順次私のx(旧ツイッター)レシ猫(@resinekonyan)に投稿していく予定です。普段より東方projectを中心としたイラストをあげているので、見ていって、よろしければフォローしていただけると嬉しいです。どれだけの方々が気に入ってくれるかはわかりませんがよろしくお願いします。
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