01 始めは探偵の真似事
俺は今日、ヤバい写真を激写してしまった。
どうしよう!?どうしよう!?これ……
この写真、どうすれば良いんだ。
そう心の中で唱えながら、握ったデジカメの中の写真がちゃんとブレずに撮れているのかどうかを確認する。
隣のクラスの男が女と校舎裏でキスをしている写真だ。女の方は誰だか知らないが、男の方は有名な男だ。
まぁここまでの情報だけでは何も問題も無さそうに聞こえる。でも、俺が焦っているんだ、当たり前だが、重要な写真であると言えるだろう。
今俺が撮った写真は、この学校の俺達の学年の中では、歴史的な写真であると言えるだろう。
そこまで俺が言う理由は、この男が彼女持ちであるからだ。
女は彼女とは別の女であった。しかも、彼女がいる学校の校舎裏でだ。
肝がすわっているとしか言いようがない。
それ故に俺に写真を撮られた訳だし。
いや、そもそも俺に怪しまれた自体が悪かったな。別に急にこの瞬間を見かけて、写真を撮った訳ではない。
男が女に連れられて、校舎裏へと向かっていて姿に俺がついていったのだ。
盗撮だなんて言わないでくれよ。これは誰でも撮っていただろう。
それでも、顧問には、俺が、個人はその人からの許可がないと撮ってはいけない。と言われた。
盗撮を禁止するためらしいが、断固これは盗撮ではない。
彼らがあの時に、どんな会話を交わしていたのかはこの写真を見ても、知ることは出来ない。
気になって仕方ないな。
「ふっ」
にやけが止まない。
これは悪魔の笑いとでも言うのだろうか。
全く俺が一人格好つけるような奴だったら、笑止千万とでも言っていたのだろうか。
こいつらの運命は俺が握っているのも同義。
マスコミや週刊誌の編集者もこんな気持ちなんだろうか。
例えば、男の方がすでに別れていても、新たな彼女とキスをしている写真、価値がない訳ではないだろうな。
売りつけようかな、どうしようかな。
とりあえずコピーは取っておきたいよな。
どうしようかは俺の勝手。コレクションだ、コレクション。絶対に保存はしておこう。
部室まで戻るぞ、そうしたら俺の勝ちだ。
こんな探偵の真似事するつもりなかったんだけどな。確か探偵は、浮気調査をするらしいな。
ホテルに入る瞬間を撮ったりするらしい。
俺と全く一緒だな。
俺はたまたまの代物だけどな。
「笑止千万。俺の勝ち逃げだ!!」
「ねぇ、……何撮ったの?そんなに笑って?」
その声に俺はハッとさせられた。
その声で俺の身体も震えていた。
それは聞いたことがある声である。
クラスで何度か交流がある程度の女子である。
彼女から話しかけられたことは、これまでなかったが、今の不適の笑いをしていた俺に話しかけられずにはいられなかったのだろうか。
一体俺は何と答えたら良いのだろう……
自分の彼氏に浮気され、別の女とキスをしている所を見せられたら、何て思うのだろう。




