表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

人類の危機に屁をこく男

作者: 蟹地獄

その日、世界は危機に瀕していた。

 巨大隕石が地球に接近し、NASAも自衛隊も万策尽きた。

 唯一の希望は、日本の片田舎に住む冴えないサラリーマン・鈴木太郎だった。


「……屁をこいてください」

 政府の特使は真顔でそう告げた。


「は?なんで俺が屁を……」


 実は太郎の屁には、隕石を弾き飛ばす特殊な音波が含まれていたのだ。幼少期から「屁でガラスを割った」「屁で犬を気絶させた」など数々の伝説を残してきたが、まさか国家レベルで必要とされる日が来るとは思わなかった。


 家族も近所も集まり、固唾をのんで見守る。太郎は決意を胸に、ズボンを少し下ろし、深呼吸をした。


「すぅぅぅぅ。」

 

「いまだ!!屁をこいてください!!!」


 ブボボボボッ!!!


 空気が震え、雲が割れ、空に閃光が走る。

 数秒後、巨大隕石は見事に軌道を逸らし、無害な宇宙の彼方へと飛び去った。


「やったぁぁ!!」

 歓声とともに、太郎は英雄となった。


 その後、国連は公式に「屁の日」を制定し、毎年人類は一斉に屁をこく儀式を行うこととなったのだった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ