突然やって来た嫁の腋を育て続け愛し続けた結果
今回は腋に愛を詰め込みました。
突然、お父様の経営している会社の借金を肩代わりしてくれた見知らぬ男性に強制的に嫁ぐ事になった私。
「……」
お父様やお母様に捨てられたと自暴自棄に陥ってる私の細い腕を、男性は軽々と吊り上げたのでした。
「な、何を!?」
「ここでは、お前は何もしなくても良い。家にある物、ある金は使えるだけ使っていい。そのかわり、お前の腋で俺を満足させろ」
乱暴に横柄な態度で男性はそう言い放ちました。
意味がわかりませんでした。
私はてっきり対等の立場になれる筈がないと思ってましたが、話を聞く限りでは思ってた以上の待遇が待っていたのでした。その……腋以外は。
男性を満足させろと言われましても……
どうやればいいのかもどうすればいいのかも、私には全く皆目見当つきませんでした。そうなると、私は最低限のエチケットで済ますのでした。
後日、また吊り上げられた私の腋を男性は触り、覗き、嗅ぎ、舐めたのでした。
「全くなってないな。最低限で済ませたのだろう?」
男性の言葉は私の耳には入ってきませんでした。
執拗に私の腋を責められたせいで、顔中に熱がこもってしまい俯いてしまったのです。
「聞いてるのか?」
「は、はい! ですが……私にはどうすればいいのかわからなかったのです」
「そんなの簡単だ。お前の腋を綺麗で美しくすればいいんだよ。どこに持っていっても自慢の腋になるようにな。その為なら、家にある物は全て使っていいと言ったんだ」
私は絶望してしまいました。そんな事を一朝一夕で出来る訳ないのです。
そして、すぐに出来ないからこそ結構な回数の辱めが待ち受けてるのを知ってしまったから。
それから、私はあの人を満足させようと、ありとあらゆる物を試しました。
「燕、綺麗になったな」
もう何百回目でしょうか。
全くもって慣れない事に私の顔は赤く染まるしかなかったのです。
「食事とかは大丈夫か? ストレスとかは溜まってないか? 好きな事を好きなようにしてみろ。何かあれば言えばいいし、使ってもいいぞ」
「あ、ありがとうございます」
あの人のこういう独特な言い回しは何か言いたいという事なのでしょう。食事やストレスが腋に何かしらの影響が出ているという事ですか。
本当にあの人はハッキリと言って欲しいものです。
そして、あの人は乱暴で横柄な優しくて意地悪な人だという事がわかりました。
それから、あなた様の言い付け通りに私は私の好きなようにする事にしました。
「あなた様。本を仕入れたいのですが……」
「……結構前に500冊与えてやっただろう?」
「読んでしまいました。なので1000冊ほどを」
「はえっ!?」
気ままに読書をしたり。
「あなた様。一緒に買い物に行きませんか?」
「何を買いたいんだ?」
「あなた様に見せつけるように、こう……腋の開いた服が欲しいのです」
「婦人服か。なら、俺が行っても役には立たんぞ」
「あなた様は言いましたよね? ストレスを溜めないようにと」
「し、しかし、一人でも充分じゃないか?」
「あなた様は言いましたよね? 家にある物を使えと」
「お、俺を物扱いするのか」
「言いましたよね?」
「わ、わかった。すぐに支度しよう」
あなた様と気ままに買い物をしたり。
「今日は私が料理を作りたいと思います」
「燕は何もしなくていいのだぞ」
「この前に買ってきたノースリーブで料理したら、あなた様は満足するのではないかと思いまして」
「……露出して火傷とかするなよ」
「あなた様は優しいのですね」
「や、優しくしてないぞ。それよりも、燕は料理出来るのか?」
「初めての経験なのでわかりません」
「……今日は2人で作ろうな」
あなた様と気ままに料理したり。
何故でしょうか。
いつの間にか、あなた様と好きなように生きてたら胸の奥に温かい気持ちが溢れてくるようになってしまい、ドキドキが止まらなくなってしまいました。
どうやら私は、乱暴で横柄な優しくて意地悪なあなた様を好きになってしまったようですね。
□□□
何故か、絶望的な表情を浮かべた大和撫子風に整った美少女と対面に座る事になるとは
「……」
名は華鳳院燕。
俺が借金の肩代わりをした会社の娘なのだが、何故か今日から嫁いできやがった。
面倒くさいことこの上ないんだが、丁重に扱うとするか……、だが__
「な、何を!?」
燕の細い腕を吊り上げ、腋を強制的に見せつけるようにさせた。
最低限のケアはしているんだな。それに形も俺好みだし、触り心地はさぞ柔らかそうだろうな。これはダイヤの原石なのかも知れない。
「ここでは、お前は何もしなくても良い。家にある物、ある金は使えるだけ使っていい。そのかわり、お前の腋で俺を満足させろ」
俺の腋好きには参ったものだ。
昔から俺は女の腋には目がなくて、有り余る金を使ってはいろいろな女の腋を吟味してきた。
けど、どれもこれも俺のお眼鏡にかなう腋などは存在しなかったのだが、燕を見た瞬間に俺に電気が走ったのだ。
これで燕が満足させるように動いてくれると嬉しいが、もし疎かにしても期限までは丁重に扱うだけだしな
それから幾年もの時間が経ち……
「やっぱり……これは慣れないものですね」
いつものように、燕の細い腕を吊り上げてやるとノースリーブから覗いた整えられた腋を、燕は存分に見せつけてくれる。
「まったく、いつになったら慣れるんだ?」
「ですが……、この格好は恥ずかしいものでして、胸の奥がドキドキするのです」
一番最初から全然変わらない朱み顔の燕のスパイスは腋を愛する時には興奮度を乗算させてくれる。
真っ白い二の腕の根本は、窪んだ形が俺好みになっていて、きめ細かい質感と滑らかで触れても全く不快な感触はしないぐらい成長していたのだ。
「いつも通り綺麗で美しいよ。燕」
「あ、ありがとうございます」
時間を掛けてやると、これまたいつも通りに腋はしっとりと湿り気を帯びてくるようになる。
この状態になると、甘酸っぱい美味美臭で雌のフェロモンを漂わせるようになってしまっていて、こんな腋を持った燕を手放したくなかった。
けど、もう時間は無かった。
「燕に話したい事があるんだ」
燕を下ろしてあげると、俺は近くのデスクから1枚の紙を渡してやった。
「離婚届……ですか?」
「そうだ。俺の望んだ通りに燕は俺を満足させてくれたんだ。いわば褒賞みたいなものだ」
「……」
「燕は親から強制的に俺の所に来たのだろう?」
「そう……ですが」
「だったら、燕は親の強制されたレールに乗せられて走るよりも、好きなように生きている方が綺麗で美しいのを一緒にいて感じたから、俺の燕には好きなように生きて欲しいんだ」
「……」
「それにな、燕の会社の借金はもうすぐ完済するから俺と燕の関係はもう終わるんだ。だから書いてもらう」
ペラペラと思ってもない事をよく言えるもんだなと俺は自分を褒めたいぐらいだ。
一緒にいて欲しいと言葉に出せばいいのだが、俺にはそんな言葉など素直に言えなかった。
そんな事を思いながら燕を見るとキッと睨みつけられていた。
「あなた様……ハッキリと言って欲しいのです」
……見透かされてたのか。だが、俺は言わないつもりだ。
「あなた様の言いたい事はわかります。しかし、これはあなた様に言って欲しいのです」
これは俺の負けだ。
ここまで燕に言われたら言うしかないだろう
「……燕が自由を得たら、俺は燕を地の果てまで捕まえに行く。俺の隣に永遠と居てもらうぞ」
俺の言葉を聞いた燕の表情は一気に和んだ。
「ふふっ。やっぱりあなた様は意地悪なんですね。あなた様の隣というレールを強制してるのではないですか」
「それにしてもよくわかったな」
「教えてあげませんよ。秘密です」
すると、燕は離婚届をビリビリと破り捨てたのだ。
「あなた様の言い付け通りに、あなた様の燕は好きなように生きる事にします。あなた様……愛しておりますので、永遠と隣に居させてください」
ご愛読ありがとうございました。
私としては腋を見せる時の照れ顔が好きですね。