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妖精の加護  作者: リリ
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才女にでも悩みはあるんです

 美波梨奈は誰もが羨やむ才女だった。


運動、勉学、社交性、全てを兼ね備えている彼女は学校の「高嶺の花」となった。

 だが梨奈はいつも思っていたことがある。


(……私ってほんとヒロインになれないな…)


 梨奈は大のオタクで、その中でも『あなただけのお姫様』という小説のヒロインに強い憧れを持っていた。



 あなただけのお姫様は、公爵家の主人に気に入られたヒロインが第一皇子に恋をする物語だ。

 なんでも努力するヒロインは努力したことのない梨奈にとって女神のようだった。


いつの日からか体調が優れなくなった


4月7日

 いつものように漫画を読んでいる日、だけどなんだか貧血気味


4月9日

 酷いくらいの痣ができていた。体もどんどん細くなっていく


4月10日

 身体中が悲鳴を上げている。痣が体全体に広がり酸素がほぼない


(どうしたの……この体…)

視界がほぼないに等しいくらい意識が朦朧としている。

うっすらとした景色の中でぽそりとつぶやく



「来世でヒロインになれるかな………」








 目が覚めると、色とりどりのふわふわしたものが飛び交う幻想的な景色が広がっていた。



「………ファンタジーの世界だ…」



 しばらくあたりを見回していると1人の小さな妖精を見つける。


「あ、ニンゲン」


その妖精は、美しかった

 印象付けられたのは美しい髪、エメラルドのように輝く青緑色は海のように艶やかだった。


 整った顔立ちは少し幼さが強調されているが、少し切長の目が大人っぽさも見せている。


 体は小指くらいの大きさで、細く雪のように白く傷一つない肌、衣装は白をベースにしたレースのドレスだった。

繊細なレースが白い肌に重なり美しく気高い印象がある。



「君、こんなところで何をしてるの?」

(わぁ、声まで可愛い)



しばらく見惚れていると、ため息をつきながらその妖精は椅子と「ガイドブック」と書かれた本を創り出して座った。



「えっと、こういうのは天女の仕事だけどいいよね? ごめんなさい!ラナーさん!

おっほん………共有者と共に死を迎えました」


「? どういう………?」


「説明が難しいですね………えっと、感覚が共有されている人達のことを『共有者』というのですが、片方の共有者が熱いと感じたらあなたも熱いと感じるのです。逆もまた然りです。」


(じゃあ、あの最悪の死であと1人死んだの?)



「えっと、説明を続けますね。共有者が死んだ場合、実際に受けて死んだ方が成仏なされて、実際に受けてない方が、成仏なされた方の人生を一から過ごされる………というルールです」


「つまり私は」

「あともう一度人生をリスタートです」


………展開に頭が追いつかないよー……

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