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何もない少年

作者: M.uuu

その少年は最初から

何も持ってなかったので

修学旅行でも何も持ってなかったので

いつも一人だけ孤立していた。


何もかも持ってるクラスメイトの周りは

いつも人が誰かしらいて

何も持ってない少年は

ただただそれを見ていた。


ある朝洗顔を取ろうとする手は

すり抜けて

ある夜お箸を取ろうとする手は

すり抜けて


何も持ってない少年は

何も持てなかった。


線香の香りがする

何も持ってない少年は

今日もぽつぽつ

学校に行くけど


誰も彼を見ないし

誰も彼が見えないし

誰も存在を知らなかった。


少年の頭はボサボサで

少年は足は透けていて

少年の手はすり抜ける。


けれど少年の心は

いつも いつだって そこにあった。


教室の左から二番目の列の一番後ろは

自分の席だと思ってたのに

今日も誰かが座っている。


みんなと一緒に給食を食べたかった

みんなと一緒に教科書を見たかった

みんなと一緒に放課後走りたかった。



何も叶わないまま

今日もさまよう。

何かを持つため

今日もさまよう。

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