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8.うわでたお化け!

ブックマークありがとうございます。

大変励みになっております。



「お…あれが入口かな?」


「はい。下調べによりますとあれが入口で間違いありません」



 ちなみに昴とファーストは特に何か話すわけでもなくここにきている。


 昴一行が見つけた街の入口…には巨大な門があり、どれだけ暗黒森林に潜む魔物を警戒していたかが分かる。勿論門の前には門番が2人程居るが、昴からしてみればただの悩みの種である。


 そしてついに異世界に転移した昴にとって初めての第一村人…(エルフはファーストが言っていた通り正確には人間では無いので無効とする)とのエンカウントである。



「お、おい…!暗黒森林が消えた場所から人が歩いてきたぞ!」


「どうもぉ…」


「貴様ら頭が…」


「まぁぁぁ!落ちィ着こうかファーストくううぅぅん!!!!」



 物凄いスピードでファーストの肩をがっちりつかむ昴の心境はそれはそれは濁流の如き焦りだった。せっかくまともな人間に出会えたのにまさかの味方に台無しにされるなんて最悪である。



「そ、創造主様!?わ、私に触れて頂けるなんて…ありがたき幸せにございます!!」


「あ、うん…取り合えず頭が高いのは許すからさ…今後もね…」


「なんの話してるんだあいつら…?」


「わっかない…」



 門番達からしてみればいい迷惑だが、本人達は至って真面目だ。勿論門番達も大変驚いてはいるのだが、それ以上に怪しい奴らが街の前をウロチョロしている方が大問題なので彼らに驚いている暇は無いのだ。



「お…おい…!あんた達、人間…でいいんだよな?」



 門番達は昴とファーストを正面に見据え、いつでも行動できるように身構える。そもそも突如黄金の光に包まれ消滅した暗黒森林があった場所からピンピンした様子で歩いてくるという時点で最高レベルに怪しい。ぶっちゃけ新種の魔物だろとか思っている門番達である。



「ハハハ。何を馬鹿なことを仰っているのですか?殺しますよ」


「ヒッ!?やっぱり魔物なのか!?!」


「そうですね…言うなればこのお方は、神様です!!」


「ちょいまてコラ!適当言うなぁァ!」



 門番達は恐怖した。


 歴戦の門番達が見たファーストの瞳には一切の迷いが無いのだ。それが当たり前で、事実なのだと突き通す瞳だ。コイツは、本気でそう思っているんだ…と知る。そんなものはただの狂人だと門番両名は思った。この世界に神は複数存在しないという教えを幼い頃より信じている門番達からすれば異端でしかない無いのだから。



「狂人め…!先ほどの一件で狂ったか!」


「こちらも一々狂人を正気に戻していられるほど余裕がないんでな!悪く思うなよ!?」


「創造主様の同族ゆえ…少しは寛大に接しようと思いましたが…これ以上は許せませんね」


「うわでたお化け!」



 いつの間にか門番達の周囲には光のしもべ達が現れている。昴は知らないが既に門番達は光のしもべ達にいつ殺されても可笑しくない距離である。光のしもべ達に眼球があるかと聞かれれば…無いのだが、光のしもべ達の一応視界に入っていれば…ソレはすでに有効攻撃範囲内だ。



「ああぁ…!あああああ!!??なんだよ、なんだよこいつらはあああ!!」



 門番の一人が光のしもべ達を目撃して腰を抜かす。それもそのはずだ、この門番達が今まで戦ってきた魔物にこんな得体のしれない化け物はいなかったのだから。なので勿論不幸にも見てしまえばSAN値はピンチだ。


 もう一人の門番も歯をがちがちと鳴らしながら恐怖に苛まれている。もしかすると本能的に敵わない相手だと悟ったのかもしれない。



「これは何の騒ぎですか!」



 そんな一触即発な現場に女性の声が響く。もちろんこの場には男しかいなかったが、騒ぎを聞きつけてやってきたのである。



「ばばばばけものだぁああ!にげ、逃げるんだ嬢ちゃん!!」



 なんとも情けないが、懸命にも門番の一人が声を振り絞ってやってきた女性に忠告をする。


 …がしかし女性は逃げなかった。なぜならば彼女は…



「私は冒険者ギルド職員です。貴方たちが今すぐ逃げてください」


「うっわでたギルド」



 薄い赤色の髪を腰まで伸ばしたロングなヘアスタイルに赤縁眼鏡を装備した赤い瞳の…赤づくし女をみた昴は小声でファーストに囁いた。



「(ギルドとか絶対入りたくないからさ…もし入れられそうになったら…助けて)」



 そして自らを創造した神たる…いや神というにも足りない素晴らしい存在から助けを求められたら彼がどうなってしまうか…もうみなさんはお気づきなのではないだろうか?



「(っ!全身全霊をもって万事良く行くよう尽力致します)」



 それはもう、異常なほど張り切ってしまうのである。


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