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7.ウーン…ウーン…



 昴は非常に迷っていた。



「ウーン…ウーン…」



 唐突に異世界転移させられた人間が悩むのは…まぁ当たり前の事であろう、そんな突然異世界で生きてね!とか言われて困らないはずが無いのである。まぁ例外は勿論あるだろうが、昴はその例外には属していなかった為こうして悩んでいた。



「創造主様、如何なさいましたか?」


「ぐ…どの口が…いや、何でもない。ちょっとこれからどうしようかなってさ」



 昴は一瞬金髪イケメンの頭をどつきそうになるが必死に耐えた。実際どついたとしてもファーストが怒る事は絶対に無いのだが…昴は全能ではないのでその事実を知らないのである。



「命じて頂ければ…秘宝でも、世界でも取って参ります」


「やっぱあそこに行ってみるしかないのかなぁ」



 ファーストの話をナチュラルに無視した昴はもともと暗黒森林によって遮られていた人間の街らしき物を見つめる。街に備えられている高い城壁はなんとも外敵来るべからずな雰囲気を醸し出しており、全くもってよし行ってみよう!という気持ちにはさせてくれない。


 それもその筈、あの町は暗黒森林より溢れる魔物を押しとどめる為の要塞都市なのだ。勿論腕利きの兵士もたっぷりといるし歴戦の傭兵たちもいる…まぁどれもこれもファーストには及ば無いのだが。



「でもなぁ…いきなり現地人に会うのもなぁ…いやいや、さっきエルフに会ったわ俺」



 その通りであることに気が付いた昴はあることを思いつく。…今しがた気が付いた事とはあんまり関係ないのだが。



「いい事思いついた。ちょっと様子見てみて、ヤバそうだったら帰ろう」


「創造主様、偵察でしたら是非私にお任せください」


「お、助かる。頼むよ」



 自分で行かなくていいのなら楽だしいいね!と思った昴は思考停止してファーストに任せた、いや任せてしまった。



「拝命致しました。出でよ我がしもべ達」


「おお…」



 ファーストが手を地面にかざすと、何もない空間に10体の光る何かが現れた。その容姿を一言で表すと、光属性のお化けと言った感じだ。遠目に見れば人っぽいのだが、顔は勿論身体の重要なパーツすらあやふやな見た目である。人型のもやもやと言った表現が分かりやすいのかも知れない。



「……」


「行け」



 ファーストがそれらに命じると即座に姿が霧散して視認できなくなる。勿論街の偵察に行ったのだ。余談だが昴はドン引きである。


 昴はなんにも言えずに数十秒待っていると唐突に光が凝縮していき人型を形どり始める。言うまでも無くファーストのしもべである。



「なるほど…ではお前達5体は創造主様の護衛を、残りの5体は街で待機しなさい」


「えぇ…こいつら俺についてこさせんの…見た目がホラーなんだけど…」



 ファーストのしもべは昴の想像とは違い、またしても霧散した。しもべ達は気を使って視認できないようにしたのだ。実際昴はホッとしていた。



「創造主様、あの街には現状私のしもべより強い存在は居ないようです」


「報告それだけ…?あれか?いざとなったら皆殺しにすればいいやとか思ってるのかいファースト君?」


「はい。創造主様の御身に危害を加えるようであれば始末しようと考えておりました。それにしても流石創造主様です、私の考えはお見通しなのですね」



 昴はそこはかとなく不安を感じたが若干チャレンジ精神の高い彼はその感情を無視することにした。引くときは引いて攻めるときは攻める。これが彼の大まかなポリシーである。



「まぁいいや…あの街に行ってみようか」


「お供致します」



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