28.キュイーーーーーーーーーーーーーン
ブクマや評価ありがとうございます!
今回はだいぶ長くなってしまいました。
またご要望があればキャラ説明等書きたいと思っております。
これからも続いていきますのでよろしくお願いいたします!
「まてえええええええい!!!」
「あれ~!?創造主様~!?鉄球と創造主様が入れ替わるマジックだったんですかぁ~!?」
「ごんどはなにいいいい!?!?」
昴はめちゃくちゃ見てみたい気持ちを無理やり押し込んでまったをかける。ちなみに常人ではあの好奇心を押さえつけるのは難しいだろう、それほどまでに昴は鉄球転移マジックを見てみたかったりする。
「単刀直入に言うぞう、拷問やめなさ~い!!!」
「えっ…いいんですかぁ~?」
「え?もしかしてこのパッとしない人はイイ人!?!?」
「やっぱり拷問やめるのやめなさ~い!!!!!!!!」
「やったぁ~!」
「どぼじでええええ!!!?」
再度鉄球を取り出したフィフスがうきうきしながら不審者ことアリゼスににじり寄る。鉄球から生えている棘をいじりながらきしょい笑みを浮かべているフィフスの姿は見る人がみれば興奮してしまう様なものだ。
「あ、いや冗談。拷問やめるのやめるのやめなさ~い!」
「えっとやめるのやめるのをやめる…あっ!了解です!拷問再開します!!」
「やめろバカ!?!?」
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「それで…この不審者には恩情をかけるという事ですが…本当に処刑しなくてよろしいのでしょうか?」
「おう、恩情ぶっかけプレイだね」
その後急遽拷問を阻止されたフィフス、フォースは昴の指示を仰いでいた。ちなみにちゃっかりセカンドも到着している。
「その…興味本位で侵入してしまったのはとても反省しております…申し訳ございませんでした…」
アリゼスは昴が偉い立場の人物だと判断して昴に謝罪する。
「貴様如きが創造主様に許しを乞うなァッ!!!!」
「ずびばぜん!!ずびばぜん!!!!」
「えぇ…(恐怖)」
つい数秒前まで静かだったフォースが突如ガチギレするのもだから昴は内心恐怖した。というか突然目の前で全ギレされると本当に心臓に悪いのである。
「ま、まぁまぁ…そんなに怒らなくても…ね?」
「創造主様…しかし神である貴方様に許しを要求するなど…」
「まぁまぁフォースくん、いいんじゃないですか~?」
「フィフス…この前から思って居ましたが、貴女には創造主様を敬う気持ちというものが……(クドクドネチネチグチグチ)」
くどくど、とフィフスがフォースに説教を食らっている間、昴はアリゼスに話を聞こうと近づく。
「セカンド、こいつが何か言っても何もするなよ」
「はッ!」
「…よし、お前」
大の字で拘束されているアリゼスの目の前にやってきた昴はアリゼスに話しかける。ちなみに昴はアリゼスの足と足の間に仁王立ちしているため下着が丸見えだったりするが、昴には愛している彼女がいる為彼の心には一切の煩悩が生じていない。
「…」
「貴様創造主様を無視するとは何事だ!!!」
「ひ、ひいいいい!?!?ずみばぜんんん!!迂闊に話すとまた怒られると思ってええええ!!?!」
「めんどくせえ!!??」
「も、申し訳ございません創造主様…何か言っても何もするなという事は何も言わなければ何かしていいのかと思っておりました…」
「屁理屈すげぇ!!!悪かったな!!流石の俺もこうなる事まで予想してないんだわあ!!?」
ぜえぜえと肩で息をする昴。もちろん肩に呼吸器官が付いているという訳ではない。
「アヒィー…それで、お前、これから、どうすんの?」
「あの…創造主様…椅子を用意いたしましたので宜しければ…」
「わかってんじゃねぇか…」
昴は仮で置いておくにしてはデカすぎる椅子に腰を掛ける。これは余談だが、この人間を大文字で拘束する装置の丁度足と足の間に生成された椅子は今後これを見た者達に多大な嫌悪感と興奮を与えつける名所となる。
「えっと…私はとりあえず街に戻ろうと…あ、いや…戻らせて頂きたいです…」
「うん、セカンド何か言いたそうだけど我慢出来て偉い!!…じゃなくて、帰りたいって事な、わかった」
「え!?まさか帰らせて頂けるんですか!?」
「そりゃ勿論」
その言葉を聞いた瞬間アリゼスの表情に希望が現れる。まさに落とした財布が無事帰ってきた、といった表情だ。
「ありがとうございますううう!!!」
「ははは、よいよい!ま、俺としてはみーんなと仲良くやってきたいんだ、街の連中にもここは良いところだったって伝えといてくれ」
「はい!!勿論です!!(街の皆には絶対近づくなって言わなきゃあああああ!!!!)」
アリゼスは二度とこんなところに来てたまるかと決意した。
その時、不思議な音が聞こえる。
キュイーーーーーーーーーーーーーン
「え、何この音」
「何でしょうか?このバカの指輪から鳴っているようですが…」
「あっ」
「あれ~?もしかして噓つきました~?じゃあもうすぐ死にま~す」
「ああああああああああああああああああ!!!お前ソレ嘘をつくと首がねじれて頭が引きちぎれるリングじゃねええええかあああああああ!?!?!?」
「どぼじでええええええええ!!!」
その通り、そういえばアリゼスはまだ嘘をつくと首がねじれて頭が引きちぎれるリングを装着していたのだ!このままいけば予定通りアリゼスの頭は驚異の秒間3000回転によって引きちぎれてしまうのだ。
「おいおいおい!フィフスこれ止めろ!!」
「えええ!?!?なんでですかぁ~!?」
「あほ!ばか!ホントに死んじまうぞ!!」
「いででででででででで!!!そっちにはそれ以上曲がりませんよおおおおお!!!」
「誰でもいいからあのリングを止めろおお~~~~~!!!!」
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「はぁ…はぁ…焦ったぁ…」
「その…ありがとうございます」
結局リングはフォースによって切断され、アリゼスの首は3000回転することなく無事だ。…何故リングなのに普通に外さなかったのか?それは勿論一度発動すれば外れないように作った為である、昴がぜえぜえしているのもそのせいである。
「…あっ、やったぁ~!」
「は?なんだよフィフス…」
突然嬉しそうに声をあげるフィフス。
「あのリングが起動したという事は、創造主様に噓をついたという事じゃないですか~!」
「あっ」
「これで拷問&処刑する理由が~!出来ましたぁ~~~~!!!」
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!?!?!?」
「…侵入より重い罪であることは確実でしょうね」
「なるべく体液が飛び散らなくて尚且つうめき声のひとつも上げられない拷問にしよう」
ギラギラした目で拷問、拷問と口々に言う眷属達は地獄で罪人をどう責めるか悩む獄卒のようである。
「はぁ…こうなると厄介だなぁ」
昴の言っているこうなると厄介、というのはアリゼスが昴に噓をついた事に起因する事ではない。それは眷属達に対しての厄介だ、これは昴が薄々思って居た事だが、どうやら昴に対しての崇拝心が強すぎて事あるごとに昴の意思と反した行動を取ってしまう事があるようなのだ。一度この創造主様に仇なす者に粛清を!モードに入ってしまうと創造主様本人ですら簡単には鎮圧が出来無い。
「おちつけい」
「拷問にしましょう~!コレすっごく拷問ですよ~!」
「新しく生成した兵士達を使って八つ裂きにしましょう」
「あまり汚く無くて創造主様に迷惑の掛からない処刑がいいかな」
「ぜん゛ぶや゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
ああ~、もうここから抜け出してぇ~。昴は割と本気でそう思った…。
しかし対話を諦めない昴。
「おちつけええい」
「かなり拷問ですよコレ~!」
「あ、拷問した後は新兵の訓練とかに使えないですかね」
「とりあえず全身の穴という穴を塞ごう」
なんかもう色々通り越して虚無感を感じる昴。そしてこの時新しい眷属を生成しようと心に誓った。次は…絶対俺のいう事聞いてくれるイイヤツ…ついでに他の暴走した昴信者を黙らせることが出来るヤツ…。
「I Want Out!!!!!!!」
DOGAAAAAAAAAAAAAAAAANNNNN!!!!!
「ぼっへぇ~!?!?」
「ぐっ!創造主様!?」
「髪の毛とかも全部剃った方が汚くないな」
「ぎえ゛え゛え゛え゛え゛え゛え゛!?!?」
情けなく吹き飛ばされるフィフス、咄嗟に昴を庇うフォース、未だに拷問の事を考えているセカンド、泣き叫ぶアリゼス。みんな違って、みんなイイ。
「あ…やべぇなこれ…」
「創造主様!?」
ぶっ倒れそうになる昴を咄嗟にフォースが支える。
「思ったより持ってかれたな…」
「…!この魔力…新しい眷属を生成されたのですね」
「いっててぇ~…えぇ?えっと…誰ですかぁ~」
「一度さっと茹でてからの方が身がしまって飛び散らないな」
圧縮された魔力が霧散する。そこには何やらだらしない女が立っていた。
「ぐへ、べへへ…貴方に…私の、全て、を捧げます…!」
ぼっっさぼさの黒髪に、まるで穴でも開いているのかと聞きたくなる黒目。顔や体形は眷属あるあるなのか美しいが、せっかくの美しい黒髪を梳かさずぼさぼさにしている所や、そのまるでどの角度から見てもこちらを見つめてくる玩具のように生気を感じさせない瞳がこの眷属の異様さを物語っている。
「てててて、てはじめに…創造主様の御手を、わ、煩わせる者を、を、排除します…!」
「え」
昴は新しく生成した眷属の上空に収縮してゆく魔力を感じて察する、多分煩わせる者って眷属もはいってるんだろうな、と。そして本当にヤバい事になったと理解する、何故なら今までファーストを生成した時に消費した魔力量は全体の約70%程、セカンドも同様に70%だ、ゲオルガラムは除外してサード・フォース・フィフスはそれぞれ30%程だ、そして…コイツは約90%だ。
昴は感覚的に察する、消費した魔力量に応じて自身への対応…というか信仰心…とでもいうべきものが変動するようという事に。…ぶっちゃけ昴は魔力の欠乏により瀕死であった。
「エヒッ…みみ見てて下さい、そ創造主様…!」
「ななななんですかぁ~!?この状況ぉ~!わ、わたしちょっと逃げますぅ~!」
「創造主様だけは死守しなければッ!!!」
「おお、いつの間にか新しい仲間が…流石創造主様にございます」
「私だけうごけないんですけどおおおおおおおお!?!?!?」
「すっげぇ光景…」
ぶちぶちという音と共に何もない空間に穴が開いていく、過剰な魔力により空間が裂けたのだろう。そんな事をしているうちに昴の周囲にゲオルガラムと同じ魔力を発している壁が生成されていく。
フィフスは何もない所でドアを開ける様な動作をした後、どこかに消える。
フォースは無数の大盾を持つ兵士を生成して昴を守る。
セカンドは新しい仲間に喜んでいる。
アリゼスは…言うまでも無く大の字で拘束されているためぴえんしている。
そして完全に昴の視界が遮られた時、凄まじい衝撃が全員を襲った。
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「はぁ…はぁ…ぐっ…なかなかやるな」
「ぐひぃ…ささ流石に、これっぽっちじゃ、こ、殺せないか…」
新眷属の一撃はセカンドによって受け止められていた。
「が…仲間同士で…争うなど…!」
昴を囲っていたゲオルガラムの追加城壁とフォースの生成した兵士達はみなズタボロにされている。フォース自身も満身創痍だ。
「ひぃ…あれ?い、生きてるぅうううう!!」
ついでにアリゼスも立ち位置的にセカンドの後ろにいた為助かっていた。
「ふぅ…すげぇ景色だったなぁ」
勿論昴は無事である。昴を覆っていた追加城壁や兵士がぼろぼろなのにもかかわらず、昴と昴の立っていた地面は無傷である。そして昴の真横にもう一人の男が立っている。
「もおおおッ!!しやァァッ!!と!思いィ!!キイイイイィィッって見ましたがアッ!!…創造主様を傷つけないように工夫している所を見ると…やはり同じ眷属なのですね」
会話が普通に聞こえていたサードは一部始終を知っていたがワンチャン創造主様である昴が怪我するかもしれないと思い咄嗟に現れたのだった。
「悪いな…私一人では危うかった」
「問題ありません、私も同僚を失う訳には行きませんから」
セカンドの隣…昴側に立っているのはおなじみ爽やかイケメンことファーストだった。セカンドが新眷属の一撃を防御する直前に現れたファーストはこの攻撃は創造主様に危害を加える気が無いと判断し、セカンドの支援に回ったのだった。
「そして…貴女も、失う訳には行きません」
「ケッ…ヒヒ…おお前は…そこそこ創造主様…か、ら力を頂いてる、みたい…妬ましい…!」
「何があったのかは知っています。彼らも創造主様の為に一生懸命だったのです、許して頂けませんか?」
「あ、あああ。嫉妬、嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬嫉妬…!…でも、お前をこ、殺したら…創造主様が困る…か、ら…許す…まままぁ、創造主様が許すと仰る、なら、だけどね…!」
皆の視線が昴に集まる。そして昴はちょっと笑いそうになっていた!こんな突然スンッって注目されたらえ?何?(笑)となってしまうからだ。…これを読んでいる貴方もそういう事…無いだろうか?
「え?あ、うん。許す許す(笑)」
「ゲヒ、ヒ…良かったね…!」
いわゆる三日月のような微笑みを浮かべる新眷属、ほんとうになんか気持ちの悪い表情である。
「…ふぅ…、流石にヒヤッとしましたよ」
「はぁ…もう本当に勘弁して頂きたいですね…」
「創造ッ主様!!があああ!!無事ッ!!…でしたのでそろそろ私は戻りますね」
「よがっだああああいぎでるううううう!!!!」
そんなこんなで一件落着した直後。
「いやぁ~!一時はあのキチガイのせいでどうなることかと思いましたよぉ~!もぉ~、創造主様ももうちょっと考えてから行動してくださいよぉ~!!」
「うわでた」
空気が凍った。
フォースの額に青筋が浮かび上がり、ファーストの額には一筋の冷や汗が流れる、そしてボケっとしているセカンド。
「ギ」
「…」
「え?なんですかぁ…なんか辛気臭いですねぇ~!」
「ギヒヒヒヒヒ…わわ私を、貶すのは、は、いい…でも、でも、創造主様を、を!貶すのは!!許さない…!!!」
ぼさぼさの黒髪は自身の強力過ぎる魔力にあてられ目まぐるしく変質し色を変え、ベンタブラックの如く黒い目の瞳孔はこれでもかという程開ききっている。説明するまでもない、ガチギレである。
「創造主様には迷惑をかけないでくださいね」
「えぇ…っとフィフス…すまない私では防ぎきれ無さそうだからさっきのヤツで逃げてくれ」
「自業自得ですね」
流石のファーストもキレそうなのか昴に迷惑が掛からないのなら黙認スタイル、セカンドはファーストが手伝わないのなら無理だと言わんばかりの様子、そして言うまでも無くフォースはざまあみろと思って居た。
「ひぃ~~!私達同じ眷属じゃないですか~!」
「ギ、ギギギギギ!死ね!!!」
こんなアイスフィールドクリエイターに同じ眷属だと罵られたのが相当効いたのか、全く容赦のない一撃をぶち込む。
「待てえええええい」
「はいっ…!い、ひひ」
だがそんな事を昴が黙認する訳も無く待ったをかける。するとさっきまで俺が見ていたエロ本は!?みたいなレベルでスンッと膨大な魔力が霧散する。
「”あんなん”でも”一応”俺たちの仲間だ…ゆるしてやれ」
「ぐひぃ…承知致しました…!」
「もしかして私貶されてるぅ…?」
昴はあ、やべ、と思う。そう、名前を与えていないからなんて呼べばいいか…というやつである。しかし昴には無敵の連鎖ネームがある。
「えっと…お前は今日からシックスだ!!!言いにくいからシクスでもいいぞ」
「あひぃ…!あありがとうござ、ざいます…あ、ありがとうございます、す…!」
感謝してもしきれないような表情でニコニコ笑うシクスを見ているとぼさぼさの黒髪も、ハイライトどっかいった黒目も緩そうな口元も微妙にサイズの大きい服も何となくキュートだ…と思い始める昴。もともと昴はゲテモノ好きな傾向にある、現彼女である真理もその例に漏れず奇人変人の類だったりする。
「うん、キューティー」
「私の事いつになったら解放してくれるんだろう…」
ほぼ忘れられていたアリゼスであった。




