27.あ、スゥー…そっすね…
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あといつも変な小ネタばっかり挟んですみません!!ごめんなさい!!許してください!!
「で?」
「はい…結局本当に嘘はついておらず、興味本位で見物しに来ただけだったようです」
「え?バカって事?」
「はい。馬鹿…にございます」
その後神の間で冷めた紅茶を飲んでいた昴はセカンドからあの後結局どうなったのかを聞いていた。ちなみになんでセカンドが例の見物人がどうなったのか知ってんの?なぜ!どうして!ガオガオブー!!となってしまった人の為に追記しておくと、単にフォースからの連絡がセカンドに行ったからである。
「ほえ~…んで逃がしてあげたって訳かぁ」
「いえ、これから拷問するところです」
「なぜ!?どうして!?ガオガオブーァァァァ!!?」
「ひっ…!?そ、れは勿論…創造主様の御住いを興味本位で見物だなんて…劣等種族である自覚が足りておりませんので…」
昴は天を仰ぐ。しかし昴の頭上には天井しかない。そして思う、「それくらい別に良くね?」と。
チラリとセカンドを見るがフェイスアーマー越しでも真顔であることが伺える。恐らくコイツ本気でそう思ってるな、と昴が思ったとき、希しくもその時セカンドは本気でそう思って居た。まさに情意投合、下意上達である。
あとセカンドは昴の叫びを至近距離で浴びた為、恐怖で心筋梗塞を起こしそうになっていた。…勿論ソレはただの一般人の叫びでしかない為そんな特殊効果は無いはずである。ついでに言うと今後この件は神の咆哮として眷属達の間で大変畏れられる事となる。
「オーマイガー…」
「神は創造神である昴様だけです」
「あ、スゥー…そっすね…」
昴は一瞬「怖っわ…」と言いそうになるがそれは喉らへんで押しとどめた。そして肝心な事を聞くのを忘れていたことに気が付いて慌てて話を再開する。
「ア!?てか、そのバカ拷問してそのあとどうすんだよ!?」
「公開処刑です」
「ヒュッ…(息を呑む音)」
「嗚呼ッ!なんて素晴らしい事だろうか…こうして私は創造主様を害す存在を処罰する事によって創造主様の御力になれている…!!なんて幸せな事なのだろう…!!もっと…もっと創造主様に仇なす存在を消し去って更に更に創造主様の為に尽くしたい…!!」
「怖っわ…もう自分で何とかしよ…」
昴は大切に飲んでいた紅茶を飲み干すと立ち上がりドアへと歩き始める。
「創造主様?どちらへ?」
「どこで拷問すんの?」
「ご見物ですか!?えっ…と…しかし…創造主様の服に体液が付いたりしてしまう恐れが…」
「そんぐらい別にいいよォ~!いちいち気にせんわ!」
「ですが…!不適切な言葉を発しないとも…」
ごにょごにょと中々拷問を行う場所を言わないセカンド。そしてさっきはああ言ったもののよく考えると「え?体液?体液って言ったコイツ!?うっわ最悪!!」とか思って居る昴。ちなみにセカンドが昴に場所を伝え渋っているのは単に昴の事を想ってである。
「あぁもう…しかたねえ!ファアアアアアアスト!!!」
「えっ!?創造主様!?」
昴は叫ぶ、勿論セカンドの陰キャ通信は使用せずに、だ。そして数回瞬きする間も無く目の前に光の粒子が凝縮されていく。
「お待たせしてしまい申し訳ございません…お呼びいただき恐悦至極にございます」
「ファースト!?」
「オッケーファースト。バカの居場所」
「どうやらまだ練兵場に居るようですね」
「はっや…有線なんだろうなぁ…いや5Gなのか…?」
ちなみに何故昴がバカというだけでファーストに伝わったのかを説明すると、単純にファーストの知覚圏内に昴が居たためである。そう、ファーストの知覚圏内は光のあるところ全域なのだ。…ランプの光でも可である。
「おいファーストっ!創造主様の御身体に馬鹿の体液が付着したり!バカの不遜な発言で創造主様が傷ついたりしたらどう責任を取るつもりだ!!」
「…セカンド。それが創造主様の行動を妨害した理由ですか。…私たちは何のために存在しているのか…勿論分かりますよね、創造主様のなさりたい事を全て、例外なく達成する為です。それを妨害するなどあり得ません、そもそも馬鹿の粗相が気掛かりなら私達が創造主様の盾になれば良いだけではありませんか」
ファーストは表情を崩すことなくいつも通りの爽やかなイケメンフェイスで話す。
「それは…そうだなのだが…!いやしかしっ!もしもの事があったらと思うとだな…!」
「もしもはありませんよ。セカンド、貴方は創造主様によって生み出された素晴らしい眷属です。そんな貴女が護衛しているのです、もっと自信を持ち、されど慢心せず常に完璧を目指してください。そうすれば必ず完璧な結果が付いてきますよ」
その言葉はセカンドの心に重く、そして深く突き刺さった。勿論セカンドが悪者だという訳ではないのだ、ただセカンドは心配性であり昴が傷つくのが怖かっただけなのだ。
「ファースト…そう…だな…私が間違っていたようだ。すまない、そしてありがとう」
「いえいえ、問題ありませんよ。創造主様の眷属同士共に協力するのは当然です」
ファーストとセカンドは握手を交わす。こうして眷属内最強クラス両名の絆はより一層深まったのであった。めでたしめでたし。
「…あ、あれ?そそそそ創造主様…は???」
「創造主様でしたら先ほど走り去って行かれましたよ」
セカンドは青ざめる。こう…サーッと血の気が引いていくのを実感していた。
「創造主様ぁぁぁぁぁ!?!?!?」
「転ばないよう気をつけてくださいね」
セカンドが走り去って行き部屋に一人ぼっちになったファーストはソファーに座り、昴が使っていたティーカップの縁に触れながら一人ごちる。
「はは、まさか仲間を足止めする事になるとはね」
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「よっしゃー!ナイス足止めだファースト!!!」
昴は走っていた。まさに全力ダッシュである。そしてついに遠方に大の字に拘束されている明らかに見覚えのない人物と見覚えのある眷属達を発見する。
「練兵場!練兵場!いた!あれだな!?えっ!?キモ!!羽生えてるじゃん!!?」
「いいいいやああああああ~~っ!!!せっかく首が飛ばなかったのにまだ何かやるんですかあああああっ!?!?!」
「それじゃ~!今からぁ~!この手に持ってる棘だらけの鉄球がぁ~!いつの間にかぁ~~!!」
「い、いつの間にか~!?!?」
「あなたの身体の中にぃ~瞬間移動しちゃうマジック~やりますぅ~!」
「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛~!!?ぜっだい゛い゛だい゛や゛づ~!!!」
「え、なにそれめっちゃ気になるんだけど…」
一瞬足を止めそうになる昴であった。




