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26.え!え!?何が始まるんですか!?!?



 広いゲオルガラム内の一室、通称創造神の間(眷属達が勝手にそう呼んでいるだけ)にて、創造主と呼ばれる男とその眷属が机を一つ挟んで対談していた。



「さぁてファースト君気軽に話してくれたまえ」


「この度は私の為にお時間を作って頂きありがとうございます」



 そう、これは個別相談である。ファーストが会議の後1日開けて相談に来た理由は、すぐに創造主様を頼っている様では使えない奴だと思われる可能性があった為である。



「こうして創造主様と二人きりで話すのも随分と久方ぶりですね…」


「そうかぁ?そうでもないと思うけどなぁ」



 この場に護衛のセカンドはいない。昴はセカンドがいると気を使って話せない事もあるかも知れないと思い席を外してもらったのである。その時のセカンドの顔(見えない)といったらもうそれはそれは悲惨であった。



「創造主様は紅茶を飲まれないのですか?」


「ああぁ…それな、俺猫舌なんだよ」



 ファーストは相談とはあまり関係の無い話を続ける。何故ってそんな事言うまでも無く少しでも昴と二人っきりの時間を楽しみたいからである。



「てかそうそう、相談事ってなんだった?」


「…はい。それがですね、冒険者となった後の話なのですが」



 うんうんといったモーションを駆使する昴にファーストは話す。



「銀級冒険者にはなれたのですが…」


「…ほう?金級冒険者をフルボッコにしたのに銀級?」


「っ…大変申し訳ございません」


「ああ、いや!責めてるつもりは一切ないんだ、ただ冒険者の規則ってのも中々融通が利かないもんだなぁって思ってな」



 それもその通り、実際にファーストは金級冒険者であるアーナイムを完膚なきまでに叩きのめした、つまり現金級冒険者より遥かに戦闘能力が優れているにも関わらずファーストは銀級冒険者止まりなのである。これに疑問を持つなという方が少しだけ難しい。



「ちなみに理由とか聞いたのか?」


「はい、何やら性格に難があるから…だとか」


「うっわ、そりゃお前金級になれんわ」



 一撃で納得した昴であった。



「で、ですが!それとは別にですね特別階級を作るかもしれないという話を聞きました」


「特別階級…?つまりあれか、金級には成れないけど戦闘能力はピカイチだから新しい階級つくっちゃえ!って感じか」


「はい。恐らく金級冒険者を軽く叩きのめした私を手放したくは無いのでしょう、それと手元に置いておく為…でしょうか」



 ファーストは少し不安になる。このままでは表舞台で名声を得るという使命を果たせないのではないかと。



「ふーん。ま、いいんじゃね?」


「よ、良いのでしょうか」


「うむ。大衆なんてデカい結果を見れば簡単に考えを変えるもんだ、お前が頑張って人助けしまくればその内金級なんて目じゃないくらい大衆から好かれると思うぞ」


「そ、創造主様…!承知致しました!私は必ずや大衆から好かれてお見せします!!」



 なんかシュールな決意の瞬間を見た昴は苦笑いする事しかできなかった。


//////////////////////////////



「はいどうぞ」



 創造神の間(眷属達が勝手にそう呼んでいるだけ)の扉が開かれ、サードが入室する。本日二人目の相談者である。



「こおおおぉぉれはァッ!創造主様ァァァッ!!…お久しぶりでございます」


「こーれは!サード君!お久しぶり」



 ファーストが何やら決意に満ちた表情で退室した直後、タイミングを見計らったかのようにサードから相談したいことがあるという旨の連絡があり、今に至る。サードは常識人だと昴は知っているので他の眷属との面談より大分気が楽だったりする。



「あ、座っていいよ」


「そおおおぉぉぉッ!れではあァッ!!…失礼致します」



 サードは昴の正面に座る。勿論サードが到着する前に新しい紅茶を淹れておいたのでテーブルには冷めた紅茶と淹れたての紅茶が置いてある。



「それでー?何があった?」


「なあああああんとォォッ!!この神ッ聖なるこのゲオルガラム付近にィィィ!!大ッ変怪しい魔族がアアアァッ!!…潜んでいましたので捕縛したのですが…」


「え、まって初耳…」


「そおおおれもッ!そおおおのはずッ!!…捕縛したのはついさっきの事なのです」



 そうまさについさっき、丁度昴がファーストと面談していた時である。ゲオルガラム内壁で兵を生成していたフォースは何者かの気配を察知し即刻対象を捕縛していたのである、そしてその後は昴の指示通りサードに連絡したのだった。



「なるほどねぇ」


「そおおおしてッ!!ここで相ッ談!なのですがッ!!その!捕縛した者への対応はどの様にッ!…するべきでしょうか?」



 昴は何となく状況を理解する。サードは捕縛した者が敵対者だとは限らないと考えて昴に相談しにきたのだ。拷問して聞き出すのか、それともしっかり話し合いをするべきなのか、はたまた逃がしてやるのか…この選択は今後昴達が相手側にとってどういう存在になるかが少なからず関係する大切な選択なのだ。



「ムムム…そいつはなんて?」


「見ッ物ッ!しにきただけッッ!!などと言ィィィッ!!ておおおりましたァッ!!…ですが口では何とでも言えますので」


「だーよーなー!ほんとそれな!う~んじゃあとりあえずコレ、使って尋問してもらおうかな」


「コオオオオッレッ!はあああ!?!…一体何なのですか?」



 昴がポケットから取り出したるは一つのリング!!それをサードに向けてシュゥゥゥーッ!!超エキサイティン!!



「詳しくはフィフスから聞いて使ってみてくれ」


「なああああるほどォッ!!!…承知いたしました」



///////////////////////////



「そ、それでぇ~…私一体どうなっちゃうんでしょう…」


「心配には及びません。…貴女が嘘を吐いていなければの話ですが」


「ヒ、ヒィ~…」



 ゲオルガラム内壁にある練兵場(昴が用意した)にて怪しい女の尋問は始まろうとしていた。



「はあっ…はぁ…お待たせしました~…」


「フィフス、随分と疲れているようですが…」



 そしてそこにモタモタとフィフスが走ってやってくる。手には昴がサードに渡したリングと同じものがある。サードが昴の判断に基づいて対応を考えてフォースとフィフスにそれを伝え、リングを渡したのだ。



「それじゃあ、ふぅ…始めましょうかぁ~」


「え!え!?何が始まるんですか!?!?怖いいいい!!」



 不審者ことこの女、アリゼスはここに来たことをとても後悔していた。たまたま強力な魔力を感知し、興味本位で飛んできてみればこの様である。飛んできた?飛行機かな?と思ってしまった人もいるだろうから追記すると、彼女は魔族であり、みすぼらしい翼と情けない角が生えているのだ。



「ではこの指輪をはめてください」


「ヒイィ~!なんですかこれ!何ですかこれえ~!?!?」


「これはですねぇ~…!」



 フィフスはその大きな胸を自慢するかのようにふんぞり返り、さらにどや顔でその問いに答えた。





「嘘をつくと首がねじれて頭が引きちぎれるリングですっ!!」


「いいいいやああああああ!!!?!?」


「ちょ、ちょっと!不用意に不安を煽らないでください!」




 恐怖でアリゼスは鼻水を垂らしながら泣き叫んだ。



「ゆ゛びに゛は゛め゛る゛の゛に゛な゛ん゛でく゛びぃぃぃぃ~!!!??」


「しかも!驚異の秒間3000回転ですっ!!ふんすっ」


「い゛や゛あ゛あ゛あ゛あ゛~!!」



いつも評価ありがとうございます!

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