20.「あ…あ…」というセリフがとても似合いそう
うわあああ!
投稿がおくれてしまい申し訳ございません!
「ふぅ…沢山ゆっくりしたら体調が良くなってきたぞう」
「それは良かったです」
ずっとゲオルガラム内で休憩を取っていた昴を看病していたファーストはホッと一息ついた。ファーストが昴を看病している間にセカンドはゲオルガラム内部を探索していた、各所には何故火が付くのか理解できない調理場やどこから水を引いているのか分からない蛇口がいくつかあるようでここで暮らす分には問題なさそうという結論に至っていた。
「…あ」
「如何なさいましたか?」
昴は思い出す、そういえば試験の結果どうなったんだろうと。随分と問題行動を起こすだけ起こしてさっさと抜け出してきてしまったぞ、と。
「あのさ、試験…」
「それなら合格だそうですよ」
「へぇ、そうなんだ。(コイツずっと俺と居たよな…)」
なぜ合格していることを知っているのか、それを聞いたらこれから先風呂入ってる時とかすっげぇ恥ずかしい気持ちになるかもしれないと思った昴は何も聞かなかった。これぞ懸命な判断である。
「あ、でも壁の補修費とか請求されるかもなぁ…」
「それはギルド側の損失になるそうですよ。私がお支払いしてもよろしいのですが」
そう言ったファーストは手から黄金をぽろぽろと生成する。「あ…あ…」というセリフがとても似合いそうである。
「私も出来ます」
「張り合わんでいいわ!」
突然ベットの陰から現れたセカンドの手からぽろぽろと黄金が溢れ出る。色合い的にこっちの方が顔の無い奴に近い気がした昴であった。
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「…ごめんなさい」
「らしくないじゃないか、何があったんだ?」
瓦礫の山から救出されたアーナイムにグリアが試験時に何があったかを問う。だがそれを聞かれたアーナイムの表情はあまり優れない。といってもぼこぼこにされてニコニコしてる人間なんて大抵変態なのだが。
「あの金髪に卑怯な手を使われたのかャ!?」
あの試験を見ていなかったラキロンならではの質問にアーナイムは何かを思い出したように小さく身震いをする。目にも見えない衝突、鎧の凹みを見るに恐らくあの光輝く剣すら使わずに吹き飛ばされたのだろう。もし彼が本気を出していれば既に…それを思い出して更に顔色を悪くする。
「いいえ、卑怯な手を使ってもらえるほど私は彼の相手になれなかったわ」
「…単純に力負けしたという事か…にわかには信じられないな」
それもそのはず、金級冒険者というエリートの集まりであるグランブレイドのリーダーが新人に負ける所なんて想像できるはずもないのだから。彼女たちグランブレイドが最上級クエストで苦戦する事はあれど、ましてや人間、しかも新人にそんな実力者がいるわけがないと思っていた。
「でも…現実よ」
「…アーナイム、お前の思っていィる事は分かるぜ」
「ラキロン…」
この時グランブレイドの全員が同じことを思ってた。
「「「あれだけの力があればきっとより多くの人助けができる!」」」
そう…金級冒険者…それは性格も善良な者のみがなる事を許される階級なのだ!
つまりあれ程暴虐の限りを尽くした存在でも共に戦う友と考え、また自分の利益にならないとしても人助けをしてしまう…!いわゆる変人集団なのであった。
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「ヘッキシィ!あぁ…これは誰かが噂してるわ、いや待てよ…部下のミスは上司のミスともいうしワンチャン眷属達を噂してる可能性も…」
「大丈夫ですか創造主様?」
「…もしそうだとしたら眷属増やせば増やすほど俺の鼻がズビズビになっていくのか…!?」
ファーストが心配するものの、増やし過ぎた眷属達が噂されまくりその効果で自身が永遠にくしゃみをし続ける可能性について考えていた為無視してしまう昴だった。
「ファーストよ、創造主様が眷属を増やすと鼻がズビズビと仰っているがまさか…」
「もしかすると眷属…アレルギー…なのでしょうか?」
「そんなアレルギーねぇよ!」
そんな感じで眷属達と漫才じみた事をしていると突如昴の脳内にピキーンと電波が走る。
「あ、誰かゲオルガラムの前にいるわ」
正確にはゲオルガラムが昴に発した精神連絡である。ちなみに無機質な感じで男性とも女性とも取れない感覚である。
「如何なさいますか?」
「取り合えず…いきなり殺さない方針で」
「承知いたしました」




