脳出血後のリハビリ習作・400字詰め原稿用紙1枚で何が書けるか(13)
脳出血後の失語症状リハビリとして、400字詰め原稿用紙に手書きしていたものです。
恥ずかしいミスがあってもそのままテキスト化しているので、誤字脱字やオチ不明等はご容赦を。
なお、リハビリは現在も継続中です。
七月一日
ただ、スイッチを押しただけだった。
真っ赤なスイッチが緑色に変わったとき、皆が固唾を飲んでいただろう。私の仕事内容はテレビに流されていたはずだ。
命を全て賭けた戦いと言うほどではないが、二分の一ぐらいは命を賭けたと思う。まあ、他人と比べれば、私の命などゴミと言われるレベルでしかないから、二分の一だろうが全部だろうが、ゼロに近いのだが。
私は結局、勝ったらしい。私が押されたランプは緑だ。だが、扉を開けてみると、それこあったのは真っ暗になった無人の廊下だった。
おいおい、私はぴんぴんしているのに、刑務官はどこに行ったんだ?
私は負けたに等しかったのに、どうして誰もいなくなったのだろう。
(中途で終了)