俳句2019年12月
今月は52句
家康のコスプレをして懐手
石垣の隙間覗きし十二月
長靴のやうな金鯱冬の月
武将なので敬語使わぬクリスマス
大広間に二匹の遊ぶ狸かな
名古屋城誰のものでもない枯野
スノードームに太古の記憶蘇る
冬麗の広場に市場開かるる
ベビーカー押して止まりぬ年の市
妻の寝息規則正しき聖夜かな
凩や注射の針を向けらるる
平均身長平均体重年の市
個人情報確認し合ふ年忘
長電話聞かされてゐる炬燵かな
顔のまだ描かれておらず冬の霧
大鮪ノーヘル原付の走る
白菜や歯間ブラシに血の滲む
やうやうとサンタ下手より入る
妹の友達見かけ年の市
甲斐甲斐しく賀状投函する私
鯨跳ぶハードカバーの本閉じる
モテるにはちょい悪ちょいエロちょい師走
着膨れの深刻そうに装へり
おへそ記念日セーターに指入る穴
侘助や子供布団の運ばるる
山眠る育児休業するらしく
冬の朝コーンフレーク硬きまま
撮り直す為に大根抜かれをり
賞味期限一年過ぎて冬旱
手伝いの申し出受けし竈猫
凍星がお腹に話かけている
山茶花や点けっぱなしのカラーバー
寒雀三度泣く為三度読む
下つ端には下つ端の席納豆汁
クロワッサンの程よく曲がり冬の滝
寒林や俺もわからぬ指示与う
空つ風抜けたい歯から抜けてゆく
寒椿早く帰ると言つたのに
真相を聞かさるるまで着膨れり
雑炊や怒られたから笑うふふ
後で見る後で見るから年の暮
返り花管理組合総会紛糾
食べ放題は食べ放題や龍の玉
高音の出ぬ鼻唄や海鼠噛む
社内行事に段取のある冬の虹
抜け殻となりしケーキや冬の朝
冬凪や写真に一部切り取られ
風花や受験帰りの父母子
百円で貯まるポイント雪催
鯨の目優先搭乗せし妊婦
小晦日ボードゲームに勝てぬ義母
間違い探し間違いのまま晦日蕎麦
個人的に好きな句
冬麗の広場に市場開かるる
ベビーカー押して止まりぬ年の市
妻の寝息規則正しき聖夜かな
平均身長平均体重年の市
個人情報確認し合ふ年忘
長電話聞かされてゐる炬燵かな
白菜や歯間ブラシに血の滲む
やうやうとサンタ下手より入る
妹の友達見かけ年の市
甲斐甲斐しく賀状投函する私
モテるにはちょい悪ちょいエロちょい師走
着膨れの深刻そうに装へり
侘助や子供布団の運ばるる
山眠る育児休業するらしく
賞味期限一年過ぎて冬旱
下つ端には下つ端の席納豆汁
雑炊や怒られたから笑うふふ
返り花管理組合総会紛糾
社内行事に段取のある冬の虹
