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Star Ocean ~誇り高き血統の鎖~  作者: はぐれ
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6話 ロードのクレイジー・クライ

「ハァハァ」

走って出るんじゃなかった。

身体中、汗びっしょりだ。あれから30分は経ったが、ロードは見つからない。

もう諦めて帰ろうか、と思った時、靴屋と小さめの新聞社の間の裏路地から声が聞こえた。

「やっ、やめてくれよォ」

少年が3人ほどのチンピラにカツアゲにあっていた。可哀想だが、今回はロードを優先したいので見捨てることにした。

「痛い!痛い!本当にお金、持ってないんですよ!」少年は殴られてアザだらけになっていた。

流石に見捨てられなかった、見た感じ本当に持っていなそうだ。

僕はいいことを思いついた。

僕が金を出せばいいんだ、そうすればチンピラも満足する、少年も、もう殴られずに済む、これ以上の解決法はない。

僕は裏路地へ入った。

一斉に視線がこちらへ送られる。

「なんだてめぇ」

チンピラの1人が言った。

「もう殴るのは、やめろ!俺が金を出す!」僕らしくないが人が傷つくのは見ていられない。

「コイツイカレてんのかァ?」

もう1人が言う。

「いくらだ?」

僕は、財布の札入れを開いた。

高額を請求されるのは覚悟していた。

「2万コインで許してやる。」

思ったより高額だった。

札を差し出したら、奪い取るように取った。

「へへっ!また、ギャンブルで遊べるぜェ!」

チンピラ達は笑みをこぼした。

チンピラの1人が札をポケットに入れようとするが何故か入らない。

「なっ、なんだァ?なんで入らねぇんだよッ!」

確かに妙だ、決してポケットが小さい訳では無い。

「情けないな。」

どこからか声が聞こえた。

見上げると、隣の靴屋の屋上に座っていた人物がいた。

それは、紛れもなくロードだった。

僕は波動のエネルギーで札の方を引っ張っていたのだと解釈した。

「ジャックとか言ったか、どうせ、お前は自分が金を払えば、一件落着、誰も傷つかない、そこのチンピラも帰る、そう思ったんだろ。」ロードは屋上から飛び降りた。

図星をつかれた。

波動も使ってなさそうだ、心を読むのが得意なんだろう。

「図星だろぉ?それじゃあ、ダメだ。金を1度渡してみろ、次の標的はお前だぜ、ジジイはああ言っていたが、まだまだだ、自分の身は守れない。本当に辞めさせたいなら、こうするんだよッ!」

ロードは拳を強く握りしめ、チンピラの顔にぶっぱなした。

「てっ、テメェ、何すんだ!」

チンピラが倒れた仲間の目を覚まそうとしている。

「するべきことをしただけだ。」

ロード、コイツはマジでぶっ飛んでる、人を殴るなんて、僕にはそんな根性はない。

「ジャック!こいつらの相手を頼む、俺はこの少年の殴られた所の治療に励む。」

「えっ!えぇ!?」

無茶をいわないでほしい、さっきまだまだだって言ったばかりなのに本当に無茶苦茶だ。

「何してんだ早くしろ!」

もうふっ切れた。「覚悟」が決まったのだ。

「その顔だよ見たかったのは。」

そう言うと、ロードは初めて笑顔を見せた。

「ひっ、ヒィー!」

「おい!「覚悟」は出来てんだろぉなぁ!」

もう僕は僕じゃ無くなっていた。

ロード、能力はクレイジー・クライ、傷を癒すことが出来る、能力と性格が真反対の男、ギャップってやつだろうか。

本当に、イカれたやつだ。

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