芸術の性癖
死は美しい。
生から解き放たれた身体がある。
いつかは腐臭を放ち、朽ちて骨すらも分解される。
鈍器で殴って殺したサラリーマン男性はココ。
縄で絞殺したランドセル少女はアコ。
家ごと焼殺させた老人はソコ。
その他大勢の死体を引き摺り歩き回る。
今度は血だ。
酸化しかけの血で円を描く。
さっき採った血で壁を塗る。
最後に髪を振り撒く。
黒、金、白、茶、赤。
色とりどりの髪は部屋中を舞ってへばりつく。
殺人鬼は作品を見るために部屋の中央に立つ。
これで完成だ。
自身の胸に包丁を突き立てニヤリと笑う。
その部屋は大団円を迎える。