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等身大恋話

作者: 月下氷人

ノンフィクションっぽいですが、、、

最初にキミに出逢ったのはいつだっただろうか。


その頃のボクはまだ恋愛とか興味もなくて、

キミのことなんて名前くらいしか知らなくて、


友人の友人くらいの距離間だったよね。



それでも一緒のグループでお祭りなんか行ったりしたよね。


ボクはまだ異性に耐性なんて全然なくって。

話す事が出来ないどころか横にいるのも緊張してたんだよ。そう見えてなかったらいいんだけどね。


まだ全然キミのことなんて知らないままに一緒に回った屋台。物静かなキミは後ろについて回る感じで。自分のことなんてなにも言わないけど少しの冗談でも笑ってくれたよね。


キミが笑ってくれたのが嬉しかったのかな。いや、まだそんなに好きって程でもなかったけど。


もっとキミを笑わせてみたいとは思ってたんだ。


友人伝いにしか話せないボクが何言ってんだなんて今のボクは恥ずかしさでいっぱいです。




地元の小さな小さなお祭り。毎年のように参加して。

新しい想い出もできたけど。

それでもあの日の花火は今でも記憶に残ってるよ。




それから何だかんだ遊ぶようになって。実は共通の趣味があったことに気づいたりして。



その時はびっくりはしなかったけどね。何となく気付いてたから。それでもやっぱり嬉しかったな。

好きなものを語り合えるって幸せだと感じたよ。



いつからだろうか。話すのが楽しくて、楽しくて、楽しみで、楽しみで、、、



その頃には好きになってたんだね。




でも、ボクはその事に気付かなかったんだ。


笑ってくれていいほどに鈍感だったよ。




ボクが気付いたのはもっと後。

キミが付き合い出したその後。



ボクが知ったのは風の噂でだったかな、

それとも聞いたんだっけ。




お相手はボクの友人。というか同じグループのメンバー。まぁボクより当然カッコいいから仕方ないね。



友人だから妬むって程でもなかったし、キミが幸せならそれが一番なんて自分に言い聞かせた。


ちょっとだけ胸の奥は痛むけれどね。叶わぬ恋なんてするもんじゃない。いや、叶わぬ恋をしたんじゃなくて、恋が叶わなくなっただけか。



それでも恋心は簡単に消えないって初めて知った。

キミには色々と教えられてばっかりだったね。



仲良くグループで遊ぶこともあるけれど、キミと過ごす時間は減っていく。少し寂しく思うのは駄目かな。横恋慕がしたい訳ではないんだ。キミへの気持ちが薄まるまで少し時間が欲しいだけなんだ。




勉強、部活、遊び。時間はすぐに過ぎていった。


キミのことも仲のいい友人としてのポジションに収まりそうなある日のことだった。



別れた。そんな話が流れてきたのは。




それはそうだ。付き合い出してそのままゴールなんて滅多にない話なのは分かってた。



でもなんて言えばいいのかな、タイミングが悪かったのかな。ボクも落ち着いてきていたんだ。



キミのことが嫌いになった訳じゃ全然ない。



それでも部活とか、気の許せる友達と馬鹿なことやるとか、そんなことを楽しめるようになってきていて。



だからなのかな、落ち込むキミを慰めてもそれより先に進めなかったんだ。




単にヘタれただけかもしれない。

ヘタレと呼んでもらって構わない。



ボクはキミに気持ちを伝えられなかった。



それが事実だ。




その後もキミとは友人として遊ぶようになった。


変わらずボクはなにも言えなかったけど、キミとの無言の会話が好きだった。


お互い話が得意って訳でもないから、落ち着いた空気っていうのかな、そんなゆったりした時間が過ぎるのを楽しんでた。

キミも楽しんでくれてたのならいいな。




卒業したら疎遠になってしまったのが少し残念かな。

それでも地元で偶に会うんだよね。


そんな時少しだけお互いに会釈する。

言葉でないボクらのコミュニケーション。





最近ではもうすっかり縁がない。

ボクの方もキミのことを考える時間は滅多にない。


時の流れの残酷さと優しさを感じる。



今では偶にTLで見かけた時にキミを想い出して懐かしく思うくらいでしかないけれど。


ボクのまだ青かった夏の象徴としてキミは胸に残ってる。




もう二度と会うことがなかったとしても。


それでも忘れることはない。



甘酸っぱくて少し苦い。


君ヲ想ウ昔話。




等身大恋話。


事実、半分以上はノンフィクション

(//∇//)

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