貨幣の価値を調べよう
取り敢えずは、これで一安心だ。
宿屋を探して眠りたい所だが、その前にお金の価値をある程度は知りたい。
その為に先ずはステータスの確認だな。
『名前』
・なし
『ユニークスキル』
・契約書
・異世界言語
『スキル』
・鑑定 Lv1
・生活魔法 Lv1
・アイテムボックス Lv1
・索敵 Lv3
・危険察知 Lv3
・暗視 Lv2
『称号』
・異世界転生者
一夜のうちに、かなりのスキルレベルの上がり方だ。
明らかにおかしい気がする。
やはり怪しいのは称号ぐらいかな?
・異世界転生者
異世界から招かれた者達が新たな体を貰い、この世界に転生した為に出来た称号。
この称号を持つ者は鑑定が効かない。
また、スキル成長能力が10倍に加算される。
鑑定・生活魔法・アイテムボックス・異世界言語を自動所得される。
これは参った…鑑定を調べないと、最悪の状況に陥りそうだ。
・鑑定
知覚系アクティブスキル
あらゆるもののステータスを確認できるスキル。
相手との力量の差がある場合や、異世界転生者などの鑑定無効能力を持つ者には発動しない。
要するに、鑑定が効かない相手には注意しろという事じゃないか!
今後、人に会ったら鑑定が最優先になるな。
取り敢えず、その辺の人を鑑定しながら歩く事を覚えよう。
さて、次は本来の目的のお金の価値を調べよう。
市場に行くのが一番だな。
その辺の人に聞いてみよう。
「すいません。旅の者なのですが、この土地の名物などを調べていまして、市場は何処にあるのでしょうか? 」
「旅の人かね、そりゃご苦労なこって。この道を真っ直ぐに行けば中央市場にいけるよ」
「ありがとうございました」
うむ、完璧な対応だ。
多少、会話の相手が引いているように感じたが問題無いだろう。
しかし先程の人を鑑定してみたが、スキルレベルが低すぎる気がする。
最高レベルでも3とはどういう事だ?
私は草原で1日いただけで3なのだが…
まぁいい…目的の市場までは鑑定・索敵・危険察知のスキル上げの為に意識して使って行こう。
後、スリには注意が必要だな。
…市場に着くまでに、スリに3回も狙われるとはこの世界は恐ろしい。
それとも、これがこの世界では当たり前なのだろうか?
…やはり鑑定では価格までは分からないか。
リンゴのような果物が2個で銅貨1枚、彼方では大きなパンが銅貨2枚か、焼き鳥屋なような店では大きな焼き鳥が1本銅貨2枚で…大体見ていると銅貨1枚が100円ぐらいか?
果物が安く感じたがこんなものだろう。
銅貨10枚で銀貨1枚の価値のようだし、後は金貨の価値を知りたいぐらいだが、中々金貨を交換している人はいないな…
段々、頭も痛くなってきた。
寝不足か、スキルによる弊害かは分からないがそろそろ宿屋を探そう。
後、アイテムボックスから銀貨を20枚程懐に入れておくか。
「いらっしゃい…あんた、目の下の隈が凄い事になってるよ? うちで休むかい? 1日銀貨5枚、晩飯は別料金だよ。後、夜にお湯を銅貨1枚で運ぶよ」
宿屋に入ると、宿屋の女将に心配された。
よほど体調が悪いように見えたらしい。
「すいません。じゃあ、お湯付きで取り敢えずは1日お願いします。今から寝ても大丈夫ですかね? 色々限界なもので…」
「良いさ、問題無いよ。夕方には起こしに行ってあげるから、早く寝な。それじゃ倒れちまうよ」
女将さんの優しさに甘えて泊まるとしよう。
銀貨を6枚渡し、銅貨9枚のお釣りを貰う。
部屋に入ると杖を扉に掛け、一応の防犯にしておく。
そのままベットに倒れこむ…どうやら限界だったようだ。お休みなさい。
扉を叩く音が聞こえる。
飛び起きると、扉を開ける。
外はすっかり日が暮れてしまっているようだ。
「やっと起きたかい。もう夕食は食べれるかい? 晩飯は銅貨5枚でやってるよ。起こすのは今回だけのサービスだからね」
笑いながら下に降りて行こうとする女将に頭を下げ、一緒に下の食堂に向かう。
多少は眠たいが、昔はこのぐらいは当たり前だった…記憶が消されている筈なのに何故、昔の事が分かる? 要検討だな。
「晩飯は何があるんです?」
カウンターが空いていたので座る。
中々の盛況ぶりだ。
女将さんの他に給仕が4人も働いている。
ここはどうやら当たりのようだ。
給仕のレベルが見ただけで分かるほど動きがいい。
「日替わりしかしてないが、味は確かさ。酒はエールを置いてるよ。一杯銅貨2枚さ」
日替わりとエールを頼み、食事をする。
「頂きます」
手を合わせて頭を下げる。
肉野菜炒めのような料理は、素材の味が良く出ている。
絡められたソースは果物も使われているようで甘酸っぱく肉に合う。
パンも焼きたてなのか、熱くてうまい。
エールは温いが、久しぶりの酒だ。
口の中の苦味がたまらない…どうやら記憶を失う前は成人以上の可能性が高くなったな。
まぁ、今は飯を食べる方が優先だ。
腹が減っては何も出来ないしな。
それにしてもどれもこれも量が多い。
アメリカサイズと言うべきか、どれもがビックである…アメリカとは何の事だ?
「ご馳走さまでした」
手を合わせて頭を下げる。
食べる前にも同じような行動をとったがこれは日本の風習らしい。
それ以上は思い出せないので、その辺りから私の記憶から消されているのだろう。
部屋に戻ると、アイテムボックスから荷物を取り出し確認してみる。
さて、今日の夜も悠長には眠れなくなりそうだ。




