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神ナリシ模倣者ト神門審判

神ナリシ模倣者ト神門審判特別編──新年明けましておめでとう!!

作者: 高木カズマ

完全IFのメッタメタのメタ回です。

新年のご挨拶と今までの感謝の気持ちを、彼らに代弁して貰おうと思ってたら、オチも何も無い。グッダグダな駄文が完成していました。けど投げます。このまま投げます。


うーーん、それにしてもこれはヒドイ(ヒドイ)

「いぇーーーい! 新年あけおめことよろーーっ!!! 2016年と言えば申年! 猿と言えばこの俺っち! みんなの人気者高見秀人くんの登場ですよーーーっ!!!! 拍手拍手ぅーっ! いやぁーこれもう今年から俺っちがユーマの代わりに主役を張ってもいいんじゃないべルバォッ!?」


 自作の内輪(高見のプロマイド写真入り一つ五百円)を両手に、楽しげに叫んでいた高見の顔面に割と本気の拳がめり込んだ。

 おかしな悲鳴と共に、自称時期主役が手頃な壁に顔からめり込む。

 記念すべき、新年初パンチである。

 というか、まだ夏休み真っ只中のハズだー、とか。

 本編じゃアイツがアレでこんな事やってる場合じゃないーとか、そんな細かい事は全力でスルーなのだった。


「ええっと、勇麻くん。流石にそんな全力のグーでいかなくても良かったんじゃ……」

「いいんだよ、あのアホはあれで。最近、本編の方で沢山出てるからって調子乗ってるみたいだったし、調子に乗らせると面倒だからな」


 強制退場の高見は無視無視。

 勇麻はため息を一つ吐きつつ、視線を声の方へと向ける。

 可愛い、というより綺麗、と表現すべきだろうか。

 若葉色ベースの爽やかで落ち着いた着物に身を包んだ楓が、少し困ったように眉根を寄せるようにして笑っている。

 いつもと格好が違うからか、今日の楓はどことなく大人っぽく見える気がする勇麻だった。

 と、ここで勇麻の横からどこか芯のふにゃりとした声が飛んできた。


「うむ。そんな訳で開けましてらおはようございますなのだ」

「どんな訳だよ。てか全部ちげえよ!」

「……上げたら下げましょう?」

「赤旗白旗じゃねーんだからよ……」

「……揚げ豆腐食べたい?」

「それはもう単なるアリシアの願望だよね!?」


 こちらは可憐で、どこか儚さを感じる少女だった。

 勇麻のツッコミに半眼でぼけーっと首を傾げるアリシアは、真っ白な着物にその細い身を包み、触れれば崩れてしまいそうな雰囲気と相まって、まるで雪の精のようだった。


「アリシアちゃん、意味の分からないボケでかさ増しするのはやめようかな。ちなみに、明けましておめでとうだからね?」

「む、弟くんよ。それくらい知っているのだ。あげあげのこトトロ……ぐーすーぴー……」

「おい勇麻、こいつ睡魔に負けてマトモに言語能力が機能してねえぞ……」


 セリフの途中でいびきをかきはじめたアリシアを見て、呆れたように泉が言った。

 勇麻はがしがしと頭を掻き、


「はぁ、だから早く寝ろってあれだけ言ったのに……」

「ま、まあアリシアちゃんも誰かと年越しするのは初めてだったんだし、今日くらいはしょうがないんじゃないかな?」

「それよりも兄ちゃん、色々言うことあるよ。これ新年の挨拶と連載一周年記念、さらにはブクマ一〇〇件到達記念も兼ねてるんだから」

「いや、色々ぶっ込みすぎじゃね!?」


 驚く勇麻に泉が肩を竦めて、


「作者のクソ野郎、本来は忘年会ネタで短編を書くつもりだったらしいんだけどよ、眠いだのレポートが終わらないなどと散々理由を付けて逃げやがったらしい」

「作者にも色々あったらしいですよ? 泉センパイ。何でも、有明海の方でかなり大規模な戦に参加してたとか何とか」

「「それ完全な私用じゃねえか?!」」


 おそらく何の事だか分かっていない勇火に代わって、泉と勇麻が同時に叫んだ。

 この調子では一向にやるべき事が終わらない。

 そう思ったらしい楓が、苦笑を浮かべたまま、

 

「え、ええっと。こほん。……神ナリシ模倣者ト神門審判をお読みくださっている皆様、作者に代わってお礼を申し上げたいと思います。一年間お付き合い頂き、ありがとうございました」

「ブクマも一〇〇件到達したみてえだし、これからも“ナリシト”をよろしくな! クソ作者も、これまで以上に頑張るらしいからよ」

「今年も、よろしゅくなのだ……」


 勇麻は落ちもクソもない台本を一度眺めて、それを呆れながら投げ捨てると、一言。


「そんなこんなで、新年一発目からお見苦しい物をお見せしました。2016年も、“ナリシト”をよろしく頼むぜ!」


 と、何とか新年の挨拶と宣伝を終えた時だった。

 何かに気がついた泉が、眉を寄せて険しい顔をより険しくして言う。


「おい勇麻、なんかやけに玄関が騒がしくねえか? 」

 

 そうか? と勇麻が声を上げようとした、その時。

 シュパッ!!! という小気味のいい音と共に学生寮のドアが真っ二つに斬り飛ばされた。


「あけおめあけおめーー! 新年も、このスカーレ様が大活躍だぜぇぇぇぇ!!」

「べ、別に私としては遊びに来るつもりはなかったんですけどぉー、セルリア姉ちゃんが『あの人達は今後利用価値がありそうだから、今のうちに距離を縮めろ』とか何とか言うから、その。仕方がなく、ですねぇー……」

「あらあら、シャルトルちゃんってば、また下手くそな照れ隠しをしちゃって」

「東条勇麻……ナルミの仇、殺す」

「楓、僕と一緒に初詣に行くつもりはないかい? 家族水入らずの、二人っきりでさ。お前の幸せを御祈願しに行こう」

「だぁー、面倒くせぇー。年なんて明けるから新年が来るんだよ。永遠に冬休みが続いてりゃあ、ムカつくガキどもの顔も見ないで済むってのによ……」

「新年明けましておめでとうございます、東条勇麻。今年もよろしくお願いします」

「姉さん、こんなヤツにわざわざ挨拶する価値なんてないって。僕としては同じ空間にいるだけで不愉快な男もいるみたいだしね、さっさと帰ろう」

「へぇ、ここが彼らの隠れ家か。うん。綺麗、とは言い難いけれど。それはそれでぶち壊すのは一興かな。うん。どんなに醜いものだろうと、その散り際は美しいものだからね。うん」


 とてつもなくカオスな面々が、玄関から部屋の中になだれ込んできた。

 なんか居ちゃマズいヤツが一人、二人紛れ込んでいたり、妹の為だけにこの街に舞い戻ってきたアホがいたり、文句言うなら来なければいいのに、とか色々言いたい事はある勇麻だったが、これだけは言わねばならない。

 すぅっと息を吸い込んで、


「テメェら壊した家のドア弁償しやがれぇぇぇぇぇえええええええええええええええええええ!!!」


2016年も、よろしくお願いします!!

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