表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪魔騎士  作者: 餅田 柊
1/15

プロローグ

「どこへ行った?」

「あっちだ!」

バタバタと複数の足音が遠ざかる。時折聴こえてくるシャラシャラという清い音が頭をずきずきと響かせた。

短い髪の先から汗が伝い、雫となって落ちる。唇に飾ったピアスの上をつるりと滑った。

はぁ、と息を吐く。傷だらけの自分の腕を撫でた。滲んでいた血がじわりと広がった。

ここまでか。

多勢に無勢。随分傷を負ってしまった。今はいいが、いずれはここに隠れていることもバレてしまうだろう。

ねえ、大好きよ

透き通る水のような声が蘇る。さらさらと流れ、滑り落ちていく。

もうあの声を聴くこともないし、自分にはその資格はない。

彼女の隣にいられる唯一の証の羽根は真っ黒に染まってしまった。

シャラシャラと頭痛を呼び起こす音が近付いてくる。ロザリオの鎖が揺れる音。かつては自分も愛していた美しい音だというのに、今やそれは自分の消し去る存在だ。

誰かが目の前に立ちはだかった。シャラン。鎖が揺れる。

「早く」

手を差し伸べられた。

「逃げるよ!」

それは、鈴がコロコロと転がるような声だった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ