第三幕「別れ」
「晴明様っ!・・・・・・」
私は晴明のそばに駆け寄った・・・。
「燈緤惺・・・・か・・」
「そ、そうです・・。」
私は感情を抑えることが出来なかった・・・・。
目の前にいる傷だらけの彼があまりに悲しすぎた・・・・。
涙が出てきた・・。
「燈緤惺、何故泣いているのだ・・・。」
「晴明様なぜこんなになるまで・・・・、わたし・・なんか・・」
「そんな顔をしないでくれ・・・、私はお前のために戦うことができ・・て・
うれしいよ・・・」
「私も・・・です・・。」
「燈緤惺、思い出を大切にしてく・・れ・・。この桜は私たちの大切な場所だ・・。
燈緤惺・・・。」
「はい・・・晴明・・・様・・」
「愛して・・いる・・・・・」
「私も・・・です・・」
彼は二度と目を開けなかった・・・。
何度、何度、呼びかけても・・・・
私は叫び続けた・・。何度も何度も・・・。
泣き続けた・。本当に大好きだった・・。優しくては、あったかくて、
守ってくれて、たくさん愛してくれた・・・。
かけがえのない存在・・。
「晴明様・・。私も愛しています・・。誰よりも大好きです・・。」
私は彼のそばにずっといた・・。
今私がみている桜は、真っ白な悲しい桜・・・・・・
私は何日かたって、たくさんの兵を埋めた・・。
残っている兵は、ひとりとして、いなかった・・・・。
桜印家は消えてしまった・・・。
残ったのは、桜と私だけ・・・。二人で過ごしたすべてのものが
消えてしまった・・・。
5日たったある日の夜・・・。私は桜のある場所を眺めていた・・。
私は何が起こってしまうのかも、わかっていなかった・・。
グサッ・・・・
何かが私の胸につきささった・・・。
「・・えっ・・・・・」
背後で誰かがニヤリと笑った・・・。
私は、そのまま倒れた・・。
「晴明・・・・・さ・・ま・・。」
バタッ・・・