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転生したらゴブリンでした。くよくよしても仕方ないので魔王でも目指そうと思います。前世の知識と経験で成り上がる。  作者: おみくじ


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2/4

出会い

 まず状況を整理しよう。


 俺こと、いや、ゴブリンこと只野真人ただのまひと35歳は死んだ。たぶん社内で仕事中に。


「あんときすごい頭痛に襲われて。膝に力が入らなくて、意識がもうろうとしたところまで覚えてはいる」


 そこから記憶がなくて。目が覚めたら、


 「ゴブリンになっていた。………、なんでだよ!!」


 サービス残業100時間以上のブラック企業に10年勤め、耐え忍だけのろくな人生じゃなかった。給料もほとんど上がらなかったし! 


「もう会社辞める! もう会社辞める! って気持ちを固めていた矢先に、ぽっくり逝くなんて………。俺の人生可哀想すぎるだろ………!」


 そして第二の人生は異世界で、


「ゴブリンって可哀想すぎるだろ………!」


拳で地面をバンバン叩きつけるも虚しい。


 俺は不貞腐れて仰向けになった。


 木漏れ日が差し込む薄暗い森の中、俺は盛大にため息を吐く。


 緑色の肌をした手で少しこぶができているところをさすった。


「いてて」


 こぶに触れると流石にまだ痛い。


「………、この殴られたゴブリンは死んだんだな」


 なんとも不思議な気分だった。


「だってこのゴブリンの記憶が自分のことのように感じるからさ」


 なぜこのゴブリンは棍棒で殴られて死んだのか。


 こいつの記憶によると、決闘をしていたらしい。

 ゴブリンは集団で暮らしていて、その中で階級というか、ランクがあるらしい。んで、この死んでしまった方はランクを上げたいがために、上位の仲間に闘いを申し込んだ。ゴブリンの階級上げはシンプル。強い者が上へ立つ。弱肉強食。


「残念ながら、俺が転生したゴブリンは決闘に負けてしまった」


 ………、つまりそれは弱いということ。


「はぁ………」


 転生特典みたいなのはどうもないらしい。


「あるのは、前世の経験と知識のみ、か」


 これから、どうしろってんだ。


ガサガサ。


「いいっ!?」


 上半身を起こした。音のした方に顔を向けると、茂みがかすかに揺れている。


 ガサガサ。


 ごくり。


 や、やばいやばい! ま、まさか魔物!?


 すると茂みから、


 バサァッ!


「いひやぁ!?!?」


 1匹のゴブリンが顔を出した。ま、魔物ー!! いや、同類!? いやでも魔物ー!?


「あっ! よ、良かった! 生きてたんだねっ!」

 

 ニコッと喜ぶ、なんとも愛嬌のある、ゴブリン。


「えっ? ええっ??」


 最初にあった3匹とは大違いの態度。


 茂みから出てきたそのゴブリンは、穏やかな様子で、俺に近付いてきた。

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