表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

73/73

第73話:私が見つけた居場所

「アントアーネ、ここにいたのだね。よかった、また急にアンナ嬢かサリア嬢に呼び出されたのかと思って、心配したよ。いいかい?俺に内緒で、勝手に外出をしてはいけないよ。外出するときは、必ず事前に報告してほしい」


「ええ、分かっていますわ。それよりも今日は、随分と早かったのですね。もう王太子殿下のお仕事のお手伝いは、終わったのですか?」


「ああ、終わったよ。それよりも、手紙を読んでいるのかい?」


「ええ、サルビア王国にいるイリーネお姉様からですわ」


 リューズ王国に来て、早3ヶ月が過ぎた。有難い事に10年前に築いた友人関係のお陰で、やって来た初日からリューズ王国に溶け込むことが出来た。


 令嬢も令息も、みんな親切で、すっかり皆とも仲良しだ。特にアンナやサリア、マリアン様とはよく一緒にお茶をしたり、ショッピングをしたりしている。最初は私が友人たちと楽しそうに過ごす姿を見て、喜んでくれていたブラッド様だったが…頻度が多かったようで、今では週に1~2回程度の外出許可をもらって、会いに行っている。


 ただそれが彼女たちには不満の様で…


 アンナやサリア、マリアン様からは


 “ブラッド様は、アントアーネ様を縛りすぎです。そんなに束縛が激しいと、アントアーネ様に嫌われますよ”


 と、言われている。確かにここ最近、ブラッド様の監視の目はきつくなった気がする。とはいえ、サルビア王国にいた時の方が、ずっと一緒だった。


 今はしょっちゅう王太子殿下に呼ばれているうえ、私も友人達との時間を確保している事もあり、会えない時間も多いのだ。今日もブラッド様は朝から王太子殿下のお手伝いに行っていたので、中庭でお茶を楽しんでいた。本当はアンナとサリア、マリアン様もいたのだが、王宮からもうすぐブラッド様が帰って来るという情報がはいり、急いで3人は帰って行ったが、その事は内緒だ。



「イリーネ嬢から手紙だなんて…ちょっと貸してもらっていいかな?」


 すっと私から手紙を取り上げたブラッド様が、険しい顔で手紙を読んでいる。


「イリーネ嬢め、アントアーネに入らぬ情報を!アントアーネには黙っているつもりだったのに。余計な事をして」


 急に怒り出したブラッド様。


「落ち着いて下さい、ブラッド様。きっとあなたが私にサルビア王国での出来事を話さないだろうからと、気を利かせて手紙を書いて下さったのです。私にも知る権利があるだろうと」


 手紙には、ラドル様や私に酷い事をした元クラスメートたちの行く末が書いてあった。私に謝罪を強要したり、暴言を吐いたりした元クラスメートたちは、脅迫罪と侮辱罪が成立し、3ヶ月の懲役刑と多額の慰謝料支払いが確定したらしい。


 そしてラドル様だが、私を失ったショックから正気を失い、今は精神を専門に扱う病院に入院しているらしい。病院は離島にあり、厳重に警備されている為、きっと二度と病院から出る事はないだろうとの事。


 さらにヴォーレル伯爵家は、恐ろしいほどの損害賠償命令が出され、支払いきれずに取り潰しになったらしい。ちなみにラウレス子爵令息を含め、ラドル様に命令されていた令息たちも、3ヶ月の懲役刑が科せられたらしいが、元ヴォーレル伯爵家からの膨大な慰謝料のお陰で、病気の家族は無事治療を受ける事が出来たらしい。


 懲役刑に処されなかった元クラスメートたちも、今はひっそりとしおらしく生活をしているらしい。何はともあれ、両親もお兄様もイリーネお姉様も元気でやっている様で、安心した。


「本当にイリーネ嬢は!来月我が国に来た時に、抗議をしないと!」


「ブラッド様ったら、その様な事はお止め下さい。さあ、こちらに座ってください。最近忙しくて、お疲れでしょう。一緒にお茶でもしましょう」


「そうだね、こうやってアントアーネと一緒にお茶をする時間も、取れなかったもんね。来月はいよいよ俺たちの婚約披露パーティもあるし、これからますます忙しくなるだろう。今日はアントアーネとゆっくり過ごしたい」


 私の隣にイスを移動させてきたブラッド様が、私の肩に頭を乗せて甘えている。この国に来てからは、ブラッド様は時折こうして甘えてくれる。それがなんだか嬉しいのだ。サルビア王国にいた時は、ずっと守ってもらっていたばかりだった。これからは、私が彼を支えていきたい。そう思っている。


 ~1ヶ月後~

「アントアーネ、準備は出来たかい?」


「ええ、できておりますわ。そろそろ行きましょう」


 ブラッド様と手を繋いで、会場へと向かう。今日は私とブラッド様の、婚約披露パーティの日だ。この日の為に、両親やお兄様、イリーネお姉様も来てくれているのだ。


 会場へと向かうと、既にたくさんの貴族たちが集まってくれていた。そのほとんどが、リューズ王国で出来た、この国の貴族たち。ブラッド様と私の大切な友人達だ。


 もちろんサルビア王国からも、王太子夫妻が来てくれていた。まさかお2人が来てくださるだなんて。


 とはいえ、家族と王太子夫妻以外、サルビア王国からの来賓者は1人もいない。当然と言えば当然か。私はずっと、サルビア王国では、嫌われていたのだから。ずっと居場所がなかったのだ。


 でも今は…


「アントアーネ、ブラッド様、ご婚約おめでとうございます」


「「「「「おめでとうございます」」」」


 こんなにたくさんの友人たちがいる。そう、私はやっと、信頼できる仲間を手に入れた。そして私の居場所も見つけたのだ。


「皆様、今日は来てくださり、ありがとうございます。私達、幸せになりますね」


 笑顔で答えると、皆から大きな拍手が沸き起こる。その拍手が嬉しくてたまらない。


「ブラッド様、私をリューズ王国に連れて来てくださり、ありがとうございます。やっと私にも、心から安らげる居場所を見つけましたわ」


「それを言うのなら、俺の方だ。アントアーネ、俺と婚約をしてくれてありがとう。この国に来てくれてありがとう。君がいる場所が、俺の居場所だ。これからもずっと一緒にいようね」


「はい、もちろんですわ」


 私はこれからも、大切な人たちに囲まれながら、リューズ王国で生活をしていくのだろう。幸せをめいっぱい噛みしめながら…




 おしまい

これにて完結です。

最後までお読みいただき、ありがとうございましたm(__)m

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ