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私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい  作者: Karamimi


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第20話:俺がアントアーネを大切に思う理由【1】~ブラッド視点~

「ブラッド殿、君の気持ちは有難いのですが、一体どうやって?」


「俺に考えがあります。どうか俺に、アントアーネを託してくださいませんか?」


 真っすぐ伯爵を見つめた。


「父上、ブラッド殿ならきっと、アントアーネを守ってくれるよ。俺は一番近くで、ずっとブラッド殿を見てきたんだ。ここは、ブラッド殿に任せよう」


「あなた、私からもお願い。きっとブラッド様なら、アントアーネを守ってくださるわ。だって彼は、リマの息子なのですもの。リマは昔から、正義感が強くて曲がった事が大嫌いだった子よ。私も何度リマに助けられたか」


 アントニオ殿と夫人も、俺の味方をしてくれた。


「分かったよ、ブラッド殿、どうかアントアーネをお願いします。私にできる事があったら、何でもしますから、何なりと申しつけて下さい」


「ありがとうございます。それでは、しばらく俺もこの国に滞在しますので、その申請をお願いします」


「ええ、分かりました。明日早速、申請を出して来ましょう。それから、すぐにブラッド殿の部屋の準備を。アントニオもブラッド殿も、さすがに疲れているだろう。今日はゆっくり休んでくれ。


 それから2人とも、アントアーネの為に駆けつけてくれて、ありがとう」


「父上、何をおっしゃっているのですか。妹が傷つけられたと聞いたのです。飛んで帰ってくるのは、当たり前です」


「そうですよ、伯爵。アントアーネは俺にとっても、大切な子ですから」


 そう、俺にとって、かけがえのない子…それがアントアーネなのだ。


「そうか、野暮な事を言ってすまなかったな。それじゃあ、ゆっくり休んでくれ。ブラッド殿を、お部屋まで案内してくれ」


 伯爵が、近くに控えていた使用人に声をかけた。


「承知いたしました、ブラッド様、どうぞこちらです」


「ありがとう、だが、もう少しアントアーネを見ているよ。少し見たら、部屋に戻るから、その時に案内してくれるかい?」


 苦しそうに眠るアントアーネを、このまま放っておく訳にはいかない。それに、少しでも彼女の傍にいたいのだ。


 その時だった。


「お取込み中失礼いたします。旦那様、ラドル様が訪ねていらっしゃいました。お嬢様にどうしても会わせてほしいと…」


「なんだって!!あの男、ふざけているのか!アントアーネをここまで苦しめたくせに。すぐにブラッディ伯爵に連絡をしろ!二度と我が家に来させない事を、約束させてやる!それでは私はこれで。アントアーネをよろしくお願します」


 そう言うと伯爵が足早に去っていく。それに続いて、夫人とアントニオ殿も後に続いて出て行った。あの男、本当に何を考えているのだろう。八つ裂きにしてやりたいところだが、ここは伯爵たちに任せよう。


 改めてアントアーネを見つめる。


「しばらく会わないうちに、本当に綺麗になったね」


 そっと彼女の髪をひと房とった。美しい銀色の髪。あの頃と変わらない、サラサラで触っていて気持ちいい。


 あの頃よりもずっと大きくなったアントアーネ。強くて優しくて、人の痛みが分かる素敵な女の子。君がいてくれたから、俺は強くなれた。今の俺があるのは、全て君のお陰だよ。


 ふと瞳を閉じた。


 幼い頃、俺は異国出身の母親を持つ子供として、周りから距離を置かれていた。当時リューズ王国は、異国民は非常に珍しいうえ、小麦色の肌を持つリューズ王国の人々と違い、俺は母親に似て白い肌をしていた。


 そのせいで子供の頃から、色白でひ弱な男と言われていたのだ。さらに陰では、異国民の子供と馬鹿にされていた。


 元々大人しい性格だった俺は、お茶会に出るたびにバカにされることが嫌で、いつしか引きこもるようになっていた。


 そんな俺を心配した母上が、俺が5歳の時に母上の故郷でもあるサルビア王国に一時的に里帰りをしたのだ。


 その時に出会ったのが、アントアーネだった。


 ~10年前~

「ブラッド、今日はね、あなたに会わせたい子がいるの。私の親友、マリネの子供たちよ。とてもいい子たちなの。きっとあなたもお友達になれるわ」


「僕はいいよ」


「そう言わないで、会ってみて。ほら、行くわよ」


 そう言って僕を無理やり部屋から出した母上。


「会わないと言っているだろう?もう放っておいてくれ」


 僕は皆から嫌われているんだ。リューズ王国では、皆僕の事をバカにしている!きっとここでも…


 母上の手を振り払い、部屋に戻ろうとした時だった。


「こんにちは、あなたがブレッド様ね。初めまして、アントアーネ・ディーストンよ。よろしくね」


 銀色の髪に、大きなクリクリのエメラルドグリーンの瞳をした女の子が、僕の方に走って来たのだ。そして何を思ったのか、僕の手を握った。

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