表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私を陥れる様な婚約者はいりません!彼と幸せになりますから邪魔しないで下さい  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

13/25

第13話:前を向きたい

「アントアーネ、本当に今日から貴族学院に行くのかい?君とラドル殿が婚約を解消したことで、さらにあることない事を言ってくる輩が沢山いるだろう。まだアントアーネに関する、悪い噂も払しょくできていない。


 こんな状況で貴族学院に行けば、きっとアントアーネが傷つく結果になるだろう。とにかく、しばらくは貴族学院を休んだ方がいい」


 お父様が心配そうな顔で、話しかけてきたのだ。お母様もお父様の後ろで、心配そうに頷いている。


「ご心配をおかけして、申し訳ございません。ですが私は、もう逃げないと決めたのです。私は悪い事をしている訳ではありませんわ。それなのに、私が学院を休まなければいけないだなんて、おかしい事だと思いませんか?


 私はもう、逃げも隠れもしません。堂々と貴族学院に行くまでです」


 私は何も悪い事をしていない。貴族令嬢らしく、胸を張って生きていく、そう決めたのだ。たとえ陰口を叩かれようと、もうどうでもいい。


「だが…」


 心配そうな顔の両親を他所に、制服に着替え、玄関に向かおうとした時だった。


「アントアーネ、今は外に出てはダメよ」


 なぜかお母様が、血相を変えて私の方にやって来たのだ。一体どうしたのだろう。


 そっと玄関の方に目を向ける。すると…


「ラドル殿、一体何をしに我が家に来たのですか。アントアーネとあなたはもう、婚約を解消したのです。それなのに、今更」


「ディーストン伯爵、僕はアントアーネを愛しているのです。どうか彼女と話をする機会を与えて下さい。きっとアントアーネだって、本当は僕と婚約を解消したくはなかったはずです。


 ですので、もう一度話を」


 どうやらラドル様が、我が家に押しかけてきている様だ。あの人、あんなに酷い事をしたのに、どの面下げて我が家に来たのかしら。それに、訳の分からない事を叫んで。本当に迷惑な男。


 あんな男に構っている暇はないわ。


「あっ…アントアーネ」


 背筋を伸ばし、真っすぐと玄関にむかって歩いていく。


「ブラッディ伯爵令息様、おはようございます。お父様、行って参ります」


 2人の方を一切見ず、彼らに声をかけそのまま馬車へと向かう。


「あっ…待って…」


 しばらく沈黙が続いた後、後ろからラドル様の声が聞こえたが、既に馬車に乗り込んだ後。


「すぐに出発して」


 私の声で、馬車が動き出す。


 一体どういうつもりか知らないが、もう私に関わらないでほしい。本当に、憎らしい男…


 ふと窓から空を見上げた。雲一つない青空が広がっている。なんだか今の私の気持ちを表している様だ。


 この1年、たくさん泣いた。皆から悪口を吐かれ、家族を悲しませ、信じていた最愛の婚約者に裏切られ、本当に散々だった。


 でも、私は昨日、生まれ変わったのだ。私は私の為に生きると。


 しばらく走ると、貴族学院が見えてきた。辛くて苦しかったこの場所。きっと今日も、私の悪い噂でもちきりだろう。でも、そんな事はどうでもいい。


 私は何も悪い事をしていないのだから。


 馬車が停まると、ゆっくり大きく呼吸をした。大丈夫、悪口や陰口は慣れている。馬車から降りると、一斉に皆がこちらを向いた。


 そして


 “学院に来たわよ。すごいわよね、ラドル様から婚約を解消されたのに、いつも通り来るだなんて”


 “ラドル様も、やっとあの性悪女から解放されたのね。良かったわ。それにしても、よく学院に来られたわよね”


 周りからヒソヒソと話す声が聞こえた。分かっていたが、やはり胸が痛い。私は悪くはないのに、堂々としたいのに、心無い言葉がナイフの様に、私の胸に突き刺さる。


 ダメよ、弱気になったら!


 そう自分に言い聞かせ、真っすぐと前を向いて歩き出そうとした時だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ