第一話 ついに来たや
とある大人気ゲームをキャラクリが終わって約十分
この時点で俺は詰んでいた
どういった経緯でこうなったかそれは数時間前のことだった
今日は学校の入学式だった
あたらしい友達、可愛い女の子
だが俺はそんなことに興味がなかった
ホームルームが終わった直後誰よりも先に教室を飛び出して俺が向かったのは近所から日本全国どこにでもあるゲームショップだった
学校から自宅までは少し距離があり徒歩で二十分ほどの距離だ
そしてその近所にゲームショップはある
その距離を走った俺はゲームショップ着くころには息が上がっていた
入り口の自動ドアが反応しない場所で少し息を整えてから中に入った
中に入ると入り口付近に定員がいて「いらっしゃい」と言われた
俺はその付近の定員に声をかける
「お久しぶりです、大将!」
「小僧、俺を大将と呼ぶな。周りが誤解する」
「う~ん、俺のことを小僧呼ばわりする時点で無理だと思いますけど」
「小僧の名前を知らんからな」
「そうでしたっけ。俺は柿崎康太ですよ」
「・・・聞いたことあった」
「やっぱり。俺も自己紹介したときに、以前したような気が。って思いましたよ」
「あまり店に来ないからな」
「お金ないですからね~」
「今日は?」
「ありますよ!!と言ってもゲーム一個買うだけのお金ですけど」
「十分だろ。最近のガキは金を持ちすぎだ。まあその分色々ゲームが売れるわけだが」
「ははは。じゃなくて俺は今日忙しいんですよ!てことで”あのゲーム”どこにありますか!!」
「あのゲームかちょっと待てよ、確かここら辺に・・・・・・あった、これだろ」
「そうそう、これこれ!!これです!!」
俺と定員が言うあのゲームとは
フルダイブ型VRMMORPG ヴァイス・レギオン 通称ヴァレス
あらすじなどはありきたりの設定ではあるがゲームが発売されて一年いまだに人気絶頂のゲームだとか
特に操作性や、職業、武器の種類など色々種類が豊富で凄いとか
「ついにこのゲームをプレイするんだな」
「はい、やっとです!!ま・じ・で、やりたかったです!!」
「そうか、なら今日から思う存分楽しめ」
「はい!!」
「後ちゃんと睡眠はとれよ」
「は~い」
こうして俺はゲームショップを後にし自宅へ帰った
自宅に帰ると必ずまず「ただいま」と言う
すると「おかえり」と返ってくる、この声はおばあちゃんだ
俺は早くに両親を亡くし、今はおばあちゃん、おじいちゃん、妹、俺の四人で暮らしている
年金暮らしだった家に妹と二人転がり込んだこともありお金はかつかつ
そのためゲームが欲しくても簡単には買えない
ただ今回は入学式祝いもかねてお金をくれた
だからゲームを買えた
ちなみにゲームの機材に関しては妹に買ってもらった
Wi-Fi、インターネットも妹が契約してくれている
なぜ妹なのか
妹はいわゆるストリーマーとして活動しており、配信の視聴人数は毎配信一万人以上の大人気ストリーマーで去年から活動している
情けない話妹のおかげもあって家計が安定している
ゲーム機は妹に借金して買ってもらった
だから俺はバイトをしなくちゃならない
まじでだるい
そろそろ昼ご飯の時間だ
四人合わせて「ごちそうさまでした」と言い片付けに入った
早くゲームをしたいがさすがに自分の分の片付けはしなきゃ怒られる
ようやくすべてが終わった俺はゲームをプレイする
ゲーム機を頭に付け起動する
起動すると最初にWelcome to Vice Legionと表示された
次にキャラクリ画面になった
髪は柿色、顔はそのまんま自分の顔、ほかにいじるところは色々あるがこれでいいか
俺はまんまリアルの自分の姿にした、唯一違うのは髪の色だけだ
その次は職業選択画面
剣士、戦士、剣闘士色々ある中で俺が選んだ職業
それは弓使いだ
理由は動き方にもよるが前、中、後すべての役割をできると思ったからだ
それともう一つ
このゲームで弓使いが少ないからだ
それはなぜか
クソ難しいらしい
発売当初から少しは改善されたらしいのだがそれでも難しいらしく、発売当初だけだが特別に弓使いだった者に職業変更できるようにしたくらいらしい
運営側もこの弓使いと言う職業、慣れたら凄いがそれまでがあまりにもしんどいためおすすめはしないと言うほどだ
まあ元々このゲームはキャラの操作性は凄いのだがその分ちゃんと動かなきゃすぐにやられるらしい
弓使いがその中でも特段に難しい理由
それは後の俺で判明する
簡単に言えば少ない職業で上位に立つとかっこいいからこの職業にした
職業選択が終わり画面には始まりの街へテレポートか、ログアウトするかの表示がされた
もちろんテレポートを選択
【始まりの街 アレス】
村より少し大きい始まりの街アレス
新規プレイヤーからごつごつの装備を着たたぶん歴戦のプレイヤーどちらもいる街だ
周りを少し見渡しここには用はもうないとさっそく街を出た
街を出るとそこはモンスターが生息する森だった
【初心の森 ンイーズ】
森を見渡すと奥にゴブリンやウサギ、虫や色々いる
そのなかで俺が最初に戦うモンスターはこいつ、ゴブリンだ
序盤の定番モンスターゴブリンこいつは簡単に殺せる
そう思っていた
結果最初に戻る
俺はゴブリン相手に詰んでいた
いや、正確にはほぼ詰みかけだった
理由は矢の少なさ
始まり当初俺に支給されていた矢は十本
現在の俺の矢の残数は一本
相手ゴブリンのHPはMax
なぜわかるか俺は一回もあのゴブリンに矢を当てていない
わざとではない
難しいのだ
このゲームまずエイム補正がない
それを確かめるためにまず二本使った
一本目は遥か彼方~
二本目はエイム補正があれば確実に当たると思っていたが当たらなかったのでエイム補正はないと断定した
そこからは狙った、狙い続けた
まじで当たらない
次々と矢を消費していく中ふと、とあることがよぎった
最初に支給されている矢って何本だろう?と
急いでアイテムウインドを確認すると残りの矢の残数が一本だった
そしてゴブリンのHPはMax
一本を頭に当てたところで死ぬ確率はあまり高くない
さてどうするか
しかし最初に支給されている矢が十本、ってそりゃ少ねぇだろ
こんなの絶対む・・・
いや待てよ
ゴブリンの付近に落ちている矢
まだ残っているのか
弓を撃って当たらなかったら消滅すると思っていたがもしかしたらまだ使えるのか?
よし試してみるか
まずはゴブリンに接近する
右手に持っている矢を使って弓を撃つのではなく直接ゴブリンの頭にぶち込む
するとダメージが入ったのかゴブリンから悲鳴と共に血のエフェクトが出る
ゴブリンが痛がってる隙に力いっぱい蹴ると吹っ飛んで木に激突する
その間に落ちている矢を回収した
これで俺のの頃の矢の残数は十
最初の状態に戻った。しかし一つだけ違う
ゴブリンはまだ木に激突して伸びているのだ
ここだ!!ここで決める
息をのみ集中する
弦を限界まで引っ張り渾身の一撃を放つ
・・・外した
これ直接狙う方が早くね
色々あったがゴブリンは倒した
倒すと1レべ上がった
倒した方法は弓で射抜くのではなく矢を直接叩き込んだのだが
まあ慣れるだろ
それよりもだ矢の残数が九になった
たぶんだが確率で消えるのであろう
こういう場合ステータスで上げた方がいいのがLUCかな
しかしAGIも上げたいところだな
少しステータスを上げるのは待つか
こうして俺の初モンスター退治は終わった
さてこれからどうなるのや




