Ⅵ悲鳴も上げられない呪いの子
少しメタい事を言うが、タイトルにずれが生じている。
なぁに、これは物語を読み終えば分かるはずさ
暗い夜道を歩くのは危険だ。
くらいとよからぬ輩が来やすい
知らぬ間に居なくなってしまうのだ。
ほら、あの男のように、、、、、
「今日も行方不明者が出たんだってね」
「おそろしいもんだねぇ、」
「大丈夫、私達には異世界人様がついている。」
「きっと、解決してくれるはずさ」
「その割には、おかしな事をいうものだねぇ」
「村の女を数人連れて行くだなんて」
「異世界人様のためなら、なんにでもしてやるっていうのにねぇ、、、、、」
「不思議だねぇ、、、、、」
「狡猾?それとも洗脳?」
「さぁ、、、、、?何も聞いてないよ」
前髪の長い少女と、水色の長い髪をした女性がそう言う。
前髪の長い少女は黒のパーカーを
水色の長い髪をした女性はティーシャツにスカートを着ていた。
「こいつも違うじゃん、、、、、はぁ、、、、、」
そう言って、男の死体を放り投げた。
「情報何も貰ってなかったの?」
「貰ってたけど、偽物なんだよねこいつら」
ほうり投げられた死体はボロボロと崩れている。
普通の人間の死体ならば、こんなことは起きない。
「はぁ、、、、、めんど」
「まぁ、地道に頑張ろっか」
「はぁい、、、、、」
気怠そうにそう話した。
暗い夜道で今まで五体の偽物の自分が攫われた。
そして、全て謎の少女によって殺されている。
その謎の少女を殺害するため
今度は自分自身がその夜道の中に足を踏み入れた。
罠だと言うことも知らずに
大きな影に足を踏みいれる。
一歩目は何もないただの地面だった。
二歩目はぬかるみを踏んだ感覚がした。
三歩目はスライムのようなものを踏んだ気がした。
四歩目で足を取られた。
「っ!?」
五歩目でぐにゃりと音がした。
六歩目で影の中に吸い込まれた。
悲鳴も上げられずに
目を開けると、目の前に少女がいた。
自分が探していた謎の少女
「おはよう、異世界人様」
「なんだお前は、あの村の住人か?」
睨みながら聞く。
普通の魔物なら怯えるはずだが、少女は怯える様子を見せなかった。
「いや?ただの呪いの子」
呪いの子といってる時点で“ただの”はあり得ない。
魔力もほぼ感じないため、相当な強敵ではない。
武器は無くなっているが、能力でいくらでもなんとかなるだろう。
そう、過信したのがいけなかった。
藁人形に気付けなかった。
小さな足で、その藁人形を踏みつける。
その瞬間に意識は何処かへ消え去った。
踏み潰された藁人形
上半身がぐちゃぐちゃになった死体
「にんむかんりょ~」
そう言って、少女達はその場から消えた。
彼の意識は“永遠に”消え去ったのだ。
死体は気付かぬ間に消えていた。
少女のお腹は少しだけ膨れていた。
満足そうに息を吐いた。
最初に言ったことが分かっただろうか?
悲鳴を上げることのできないのは六番ではないのだ。
特徴も言わずに、番号だけで言っても
もう誰かは、分かるようになってきたのだろうか?
分からないのなら、頑張って理解してくれ給え