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六人の忌み子のお話  作者: untitled
1世界からの嫌われ者
2/24

0ヨウキヘヨウコソ

ようこそみなさん、

いらっしゃいみなさん

ここははじめましてですか?

はいはい、みなさんはじめましてですか

それでは、こちらに来てください

あなたを楽園へご案内しましょう

電子音が響く部屋

執務室のような作りになっている。

机に座っているのは女性の人間、、、、、かと思ったが、9尾の尻尾と狐の尖った耳が見えていた。

鋭利に尖った赤い爪で、水色の画面を叩く。

それを見つめる静かな目は血のように赤く、瞳孔は猫のように細長かった。

ノック音が聞こえる。

「、はいっていいわよ。」

女性はそう答えた。

ドアが開いたときにいたのは、青紫色で染められている巫女服のような姿の女、しかし、袖は1部1部が切り取られ、2本の糸で繋がれている。

首には、小さな陰陽玉がかけられているネックレスがあった。

濃い紫の髪をしていて、右目に傷のある目を閉じた紫線の狐半面をつけている。

顔の右頬にはⅡの数字があった。

「ごほーこくだ。」

やけに低音な声

そして、まるで男のような仕草

女性なのかどうか怪しくなるところだ。

「あら、1番さんはうまくいったのかしら?」

微笑しながらそう話す女性

「知らねぇよ、其処までは見てない。」

「あらそう、残念。」

悲しそうな目をするが、目の奥は何処か笑っていた。

Ⅱの数字のある女性はそれを気味悪く思った。

「で、ご報告って?」

こてんと首を傾げる。

Ⅱの数字がある女は面倒臭そうに見つめた。

「異世界人、リストにあった奴らは全員殺した。それだけだ。」

「じゃ、次も頼むわね」

愉快そうに上機嫌でそう話す。

「チッ、仕事詰めかよ、、、、、」

大量に並ぶ証明写真のように取られている顔写真がⅡの数字がある女性の前に集まる。

その中から、5枚ほど残して残りは消えた。

「任せたわ、今回のは少しのんびりでもいいから、よろしくね?」

「じゃ、1日だけ休暇貰うわ。」

「構わないわ」

「ん」

そう言って、Ⅱの数字がある女性は部屋から出ていった。

「全く、失礼しますとか言ってくれないのはどうしたものでしょうね」

狐の女性は残念そうに呟いた。



執務室の外に出て、無駄に広い廊下を歩くと、前から1人の女性がこちらへ走ってきた。

「ど~ん!!」

そう言って、思いっきり突進してきた。

「おわっ!?」

急に来られたため、対応できずにそのままバランスを崩して倒れた。

「いってぇ、、、おっまえなぁ!?」

そう言って、体を起こす。

「えっへへ~」

無邪気にそう話す女性

ほんのり黄色がかった長い白髪

半袖のワイシャツに細い糸で作られたリボンをつけ、膝に届かないくらいの長さのスカートを履いている、、、、、無駄に胸のでかい女性目の閉じた、左目に傷のある赤色の線の狐半面をつけていた。左頬にⅢの数字がある。

「ひっさしぶりに2番さんに会えたんだもん、ねぇねぇ、あそぼうよ~?」

狂気を含めた無邪気な声

いつものことなので、2番はもう慣れきっていた。

「わかった、遊んでやるから、一旦離れろ。邪魔だ。」

「やったぁ!!」

まるで子供のようだが、彼女の年齢は既に千を超えている。

それは、2番も同じ事だった。

「ねぇねぇ、何して遊ぶ?鬼ごっこ?かくれんぼ?なんでもいいよ!!」

そう言っているが、選択肢など、1つしか無いことは分かりきっていた。

「殺し合いしか選択肢が無いのに何を言っているんだ?」

驚いた顔をする相手、その後直ぐに口角を上げる。

「きゃっはは!分かってくれて嬉しいよ!!じゃあさ、ここだと狭いし、怒られちゃうから、外で遊ぼうよ!!」

そう言って、ルンルンで走っていった。

2番も、ため息をつきつつ、後を追いかけた。

これが、いつもの恒例行事だ。



真っ白な桜の木の下で

1人の女性が座っていた。

水色がかった白髪で、目の閉じた水色の雪模様の狐の半面のつけていた。右頬にはⅣの数字がある。

細い煙管を吸って、真っ白な煙を吐く。

薄い桃色の唇から白い煙を吐く姿は、見とれてしまう程に美しい。

カランと、狐の半面についている赤い宝石の飾りを揺らした。

「あら、5番さんどうしたの?」

彼女の視線の先には、1人の女性が立っていた。

水色の長い髪を束ね、柄のない水色のティーシャツに桃色のスカート

濃い青色で、目の閉じた桜の模様がある狐の半面をつけていて、左頬にⅤの数字がある。

「ん、向こうで3番と2番が殺し合ってたから、監督行ってあげたらって、言おうと」

「あぁ、ストッパー?」

「そ、」

「分かった、ついでにあなたも来なさい、いろいろと、勉強なるでしょう。」

「え~、、巻き込まれそうなんだけど。」

「大丈夫よ、多分」

「不安でしか無い、、、、、」

そんな他愛のない雑談をしながら、薄暗い森の中へと足を踏み入れた。



少し開けた場所に出た。

「うっわ、グロ、、、、、」

5番が怯えたような声を上げる。

もう1人の女性は慣れたような顔をしていた。

辺りには真っ赤な血が大量に散らばり、木が所々折れて曲がり、地面はでこぼこになっていた。

「あ~もう、これ、誰が直すのか分かってるのかしら」

苛立ったような声と仕草をする女性

うっすらと、金属音が聞こえた。

「結構遠くまで、行った?」

「いや、こっちに戻ってきてる。」

そう言った瞬間、何かが飛んできた。

真横にある木になにかが打ちつけられる。

「おや、2番が飛ばされてるのは珍しい。」

「そーゆー問題じゃ、無いでしょ、、、、、」

2番は直ぐに体制を立て直し、追い打ちをかけてきた3番を不思議な形をした槍で受け止める。

危ないと思った5番は、もう1人の女性を連れて、少し離れた。

その瞬間、2番の右手から紫の炎が、3番の左手から黒の炎が浮かび上がる。

そして、その炎を相手に浴びせようとした瞬間だった。

「ストップ、」

冷たい声が聞こえたと思ったら、2番と3番の周りに大量の氷で出来たナイフが出現する。

ゼロ距離で置かれ、逃げることは不可能。

2番と3番は2人とも、ナイフの餌食となった。

「いってぇなぁ!!」

血塗れの体を起こした2番

「毎回手加減出来ねぇのかよ!」

かなり苛立っているようだ。

「あら、手加減したらあなたはすぐ抜け出すでしょう?これぐらいが妥当よ。」

冷めた瞳で血塗れの2番を見つめた。

「ね"、ぇ"、!」

かすれた声で話す3番

大量のナイフによって、体中めった刺しにされ、動くことが出来ないようだ。

「だ、ずぅ、、げぇ、で!!」

ブチブチと気味の悪い音を鳴らしている体、

どうやら、再生しようと頑張っているようだが、治っている様子は無い

「お~、がんばれがんばれ」

そう言っているが、助ける気は無さそうだ。

「4番、助けてあげたら?」

5番がおそるおそる4番に聞く。

「はぁ、仕方ないわね。」

そう言って、パチンと指を鳴らすと、ナイフは溶けて消えた。

「3番ふっかぁつ!!!」

そのまま立とうとしたが、バランスを崩して転んだ。

「あでっ!?」

「ばーかばーか」

2番がその様子を嘲笑した。

「まったく、、、、、」

「あはは、、」

4番は呆れ、5番は乾いた笑いを返すだけだった。




とある人形屋

カウンター席に座り、名簿らしきものをペラペラと捲っている女性が一人

その後ろに、突然黒い靄が発生した。

しかし、女性が気に留める様子は無い。

その靄は人間の姿になり、女性の肩の上に乗った。

四歳か5歳くらいの幼女のような姿、膝まである長いティーシャツに、地面を引きずる羽目になりそうなほど彼女の丈にあわない長さの黒いパーカー、首には、水色の雫方の宝石のネックレスがつけられていた。

ボサボサな髪をしていて、目もとが隠れて見えない。

「、、、、、あまり、営業時間中に来ないでいただけますか?」

女性は、冷めたような声で話した。

「え、だって暇だもん」

つまらなさそうな声で話す。

「はぁ、、6番さん?仕事は終わったんですか?」

「そっちこそ」

「私は後は待つだけですから。」

「いいなぁ、、、、、私半分サボってる」

「サボらないでください?」

「分かってるって、、、、、」

そう言って、6番は女性の肩から降り、カウンターの上に着地した。

「じゃ、遊んできま~す。」

そう言って、影の中に潜っていった。

「はぁ、、、、、」

女性は割と大きめなため息をついた。

楽園と言うものは人によって違う

その楽園を揃えるためにはどうすればいい?

簡単だ、個人の世界にいけてしまうようにすればいい。

ただ、その分、侵入者を止めるのは大変なもので、

あぁ、人手が足りない。

いい人材はいないのだろうか?



~妖鬼次期当主報告書より~

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