それは崇高たるヴァンパイア
今日は美しい満月
通常よりも遙かに大きく見えるこの月の下
私達は─────
カランとベルを鳴らしドアが開く。
月明かりに照らされた少女は
小さな体から、だんだんと美しい女性へと変わる。
爪がだんだんと尖り、伸びていき、
歯には牙が生え始める。
瞳孔はだんだんと細く、長くなる。
そして、水色の目は血のような赤へと変化した。
そして、玄関先から、空へと飛び出した。
真っ赤に染まったその体で
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少年が、窓から月を見ていた。
何を思ったのか、窓から飛び降りて外に着地する。
その瞬間、少年は青年へと変わり、スーツは縁部分が赤く染まり、背中からは藍色の翼が生える。
そして、短かった黒髪は1部を赤く変化させ、首に届くスレスレ辺りまで伸びた。
瞳孔はだんだんと細く、長くなり、
青色の目は、上半分を藍色にして、下半分を赤黒い色にした。
そして、歯には牙を生やした。
ゆらりと立ち上がり、ピシッとした姿勢で月を睨みつけて、
その青年は空へと飛びだった。
主はその様子を微笑ましく思っていた。
それと同時に、とても美しく
──────────
ヴァンパイアは美しく飛びだった。
自分達の食糧を刈り取るために
気をつけなければいけない
満月の夜の後は、彼等の帰る先で、
血が流れることが多いのだから、
男爵と令嬢は離れた場所で吸血した。
自分達が生き残るために
なんの悪意も無しに
無意識の間に
自分が意図した訳も無しに
だからぼくたちのことをばっしないでください。
ぼくたちはなにもわるくありません。
いきていたかったからやっただけです。
なにもわるくありません。
だからおこらないでください。
おねがいします。
そうじゃないと、ぼくたちは、
生きる意味を無くしてしまう。
ルディア・レギラウ(男)
妖鬼次期当主専属執事
能力『吸血男爵』
好物:AB型
レディ・レギラウ(女)
記憶屋店主の弟子
能力『ヴァンパイアガール』
好物:A型とO型
ヴァンパイア(吸血鬼) 特性
満月の夜は人狼や狼男と同類に覚醒する。
主食は人間の血液で、魔獣等の人外の血液は彼等にとって『不味いモノ』に値する。
吸血したものをヴァンパイアにしてしまう。
苦手なものは、個人差があるが、主に十字架や、流水、ニンニクなるものだ。
なお、同じヴァンパイア同士で血は吸えない。
最近の吸血鬼は面倒臭いことに人間に化けれてしまう。
討伐が困難になりそうだ。
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
ぼくたちはなにもわるくありません
「子供の戯れ言には口を聞かない方がいいですよ」