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六人の忌み子のお話  作者: untitled
1世界からの嫌われ者
15/24

ⅩⅢアリスは人形を作らない。

妖鬼救済孤児一覧

・靈崎碑狂(女)妖鬼次期当主秘書

・靈冥亜埜華(女)薬剤師

・靈冥亜諏華(女)弁護士

・碑崎亜離好(女)高校生

・被兎零翔(男)高校生

・狼楼唖梅(男)護衛騎士見習い

・ルディア=レギラウ(男)妖鬼次期当主補佐官

・レディ=レギラウ(女)記憶屋店主の弟子

・その他複数人所在、そのうち死者およそ40人

少し広めの屋敷

ここはシェアハウスらしい

出入りする女性が見えた。

よく目立つエメラルドグリーン色のきれいな髪が

太陽に反射してほんのり水色に見えた。


「ただいま~」

のほほんとした声で誰もいないリビングに向かって話す。

小さな机の上に様々な色をした液体が入った試験官が四つほど並べて置かれていた。

「やっば、放置してた。」

独り言のように呟き、いそいそと試験官を片付けだす。

「そろそろ学生組は帰ってくるかな~。」

時計は5時30分を指していた。

一分ずれたと同時に玄関のドアが開く音が聞こえた。

女子だと思われる二人リビングに入ると同時に

「「ただいま」」

と、元気とも何とも言えないような声で言った。

「おかえりなさい、亜離好(ありす)零翔(れいと)

にこりとほほ笑む。

「ねぇ~唖梅(あめ)はまだ帰ってきてないの?」

零翔が寂しそうに聞く。

はたから見たら女の子にしか見えないけれど、一応男の子よ?

「さぁ、見ていないからわからないわ。」

ちらりと自室の並ぶ廊下を見る。

一時間ほど家を空けていたけれど、誰か帰ってきたような形跡はない。

「なぁんだ、残念。」

「あ、亜諏華(あすか)おねえちゃんはまだ、帰ってこないの?」

亜離好が小さな声で言う。

何とか聞き取れたが、コミュ障であるがゆえに人前で話すことには慣れていない。

慣れていても、どうしても声が上手く出ないらしい。

「姉さんは今日は帰ってこれるか分からないって、事務所の仕事が立て込んでるみたい。」

「そっか、、、、」

亜離好は悲しそうにする。

亜諏華姉さまにとてもなついているから、いないと寂しいらしい。

まぁ、姉さまはみんなの母親代わり、みたいなものだから、、、、

そう思いながらも、ソファーに広げた本を片付ける。

病気を治す薬が記されている本、特殊な効果を持たすことができる薬が記されている本、ありとあらゆる傷や毒を治す薬が記されている本、、、、それらが何十冊と乱雑に積まれている。

「また書庫から本を持ってきたの?」

「だって、面白いんだもん、、、もの。」

おしとやかな性格が一瞬崩れる。

性格を偽るのは、下手なものね。(自分だけれど)

「僕にはなんだかわかんないや、中央の言語もよくわかんないし」

「そういえば、零翔と啞梅は東方出身だったわね。」

「そーだよ!てか、二人は?」

名前は東方の言葉にすぎないけれど、捨て子だったから、名前も私達にはなかったから、あの人がつけてくれた。零翔と啞梅だけ、名前が存在していた。

おそらく、ここに来た経緯が違うのだろう。

「私たち姉妹は、中央出身よ。」

「私は、西方、出身、」

「ふ~ん、ひーちゃんは?」

「さあ?、あの子は自分の生い立ちをなかなか言わないから、聞いたことはないわ。」

「主様なら知ってるかな?」

「どうでしょうね、」

あの人は、零翔のいう主様は何でも知ってはいるけれど、私達の個人情報までを知ってるかどうかは、分からない。

どこまでの範囲を知っているのか、何も分からない。

「てか、ありちゃん西方出身だったから、ありすって名前にしてもらったの?」

「ぇ、わかん、ない、」

「ふ~ん」

「亜埜華おねぇちゃんは?」

「お花が好きだったの、植物とかそういうのが、そう言ったら、華を名前に入れてくれたの。」

「亜諏華ねえちゃんは?」

「姉さんも似たような理由よ、でも、諏、のところだけ、姉さんが入れてほしいって言ったんだって」

「なんで?」

「分からないわ。」

「じゃあ、今度聞いてみる!」

零翔は分からないことは何でも聞くような子

可愛い子ね、まだ、純粋な気持ちで聞いていられるだけましね、

そう思いながらも、頭を撫でてみる。

零翔は少し驚いたけれど、そのあと嬉しそうにほほ笑んだ。

「私も、なでて」

亜離好も近寄ってくる。

そういえば、なでられるのが好きだったな、

なんて思いながらもふわふわの頭をなでる。

金髪の長い髪と、水色の肩までの長さしかない髪を優しくなでて

癒されて、今日の一日は終わりそうだ。






ガチャリと音が鳴り、ゆっくりと家のドアが開く。

バチンと音が鳴ったと思うと、部屋の電気がついた。

藍色のスーツを着ている女性がソファーに座る。

後ろに、紺色のスーツを着ている男性らしき人がいた。

「あら、碑狂じゃない、」

「、、、、それは、どっちの意味で?」

「別に、あんたを名前で呼んだだけよ。」

「、、、、そうですか。」

濃い緑色の長い髪をなびかせる。

ひきょうと呼ばれた男性らしき人は薄い青色のおかっぱな髪をしていた。

「まったく、仕事が忙しくて私の可愛い妹に会うこともできないのね。」

「、、、、シスコン、ですか?」

「さぁ?どうでしょうねぇ、」

あいまいな返事を返す彼女に呆れる。


「亜諏華さん、亜離好さんの千羽鶴はどうなっているのですか?」

「もうちょっとで百羽目になるって、亜離好が嬉しそうに話していたわ。」

「危険、では?」

「知らないわよ、あの子も一応制御はできているのでしょう?それに、あの人が絶対になんとかできるから大丈夫よ。」

「それは否定しませんが、万が一、暴走した場合は、、」

「あなたが折り紙を消去するしかないわよ。」

「私の能力も危険なことを知っていて?」

「制御できてるじゃない、9兆から、90までには」

「無理やり削っているだけにすぎませんよ、いずれにせよ暴走はします。」

「あらそう、でもまぁ、使えないことはないでしょう?」

「世界を滅ぼす恐れのある、私の能力を制御しているあの人もおかしいんですよ、。」

「まぁ、そこは頑張って頂戴、私は眠いからもう寝るわ。」

「話はまだ終わっていませんが?」

「じゃあ終わりね、あなたもさっさと寝なさい。どうせ、まぁた徹夜はしているのでしょう?」

「、、、、分かりました。さっさと寝ることにします。」

「ふふっ、図星ね。」

「うるさいです。」


バチンと電気が消える。

緑色の光が一瞬だけ見えて、すぐに消えた、

いや、空間の奥に消えていった。

瞳は一瞬こちらを見た気がした。


〝狩人はまだ帰ってきてはいなかった。〟

救済孤児危険レベル

1ルディア=レギラウ

2靈冥亜埜華

3被兎零翔

4レディ=レギラウ

5狼楼啞梅

6靈冥亜諏華

7碑崎亜離好

8靈崎碑狂

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