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30歳差は罪ですか?



幼少期の時期から時間が経ち

小学何年生だろう、いつしか実家に引き取られ

よく分からないうちに両親と兄、姉と暮らしていた

あまり記憶も鮮明ではなくて

もはや、家族と言うものが何なのかも

親とどう関わるのかも分からないまま、中学生では反発心からか沢山の悪さや荒れた生活をした。ただ両親に対して幼少期の寂しさや怒りをぶつけたことはなかった。


それが理由かは定かでは無いが、

中学生は理性がなくて、発狂したければして、

女性教諭にはより強い当たりをした。

男性教諭にはどこか嘲笑う様な馬鹿にした感情を持っていたと思う。

これはきっと今なら分かることだけど、大人の男性、女性と言う目に見える者たちに両親がいない時期の劣等感や孤独、空虚な感情や、溢れ出す苛立ちや怒りをぶつけていたのだと思う。



『大丈夫か?家庭で何かあるのか?』そう言ってくれる優しい先生に、「?ないけど、何が言いたいの」って言っていたよね。


— 誰も私の怒りなんて分からないでしょう?ってね





そんな中でも私はやっぱり”中学生”に変わりはなく

時期がくれば受験シーズンが来た



絶望的な点数


数学2点


5教科で100点行くか行かないか


そんなギリギリゾーンで入れる高校等

たかが知れている。

田舎であればあるほどそれは目に見えて分かるもので…..


元々高校に行く気のなかった私はやる気という言葉からはかけ離れていたと思う


遊んでいたい 自由でいたい 縛られたく無い


そんな自分よがりな考えだけしかなかった


しかし出来のいい上2人がいる中で

— 私だけ中卒?それってどうなるの?!

なんてことも考えたりして、


なんだかんだあり私立の学校に入学した。


中学生から遊んできたおかげか、

高校の周りに恵まれたおかげか、

高校生になってからの生活は

少しだけ楽しいものがあったのも事実


机に座れば高校生でありながら、

傍観者な自分がもう一人いて

私をルンルンした顔で見ているような

そんな2人いる気分だった



一方で、この頃から両親の不仲が始まっていた

理由は大人になってからちゃんと理解したが、

高校生の私からしたら目に見えてる状況だけでは、気持ちと理解が追いついてこなかった

幼少期も一緒に過ごさず、実家に戻ってからの記憶は一部曖昧でモワンとした感じで、幼少期の不満怒り憤りの事実を子供なりの言葉で伝えてぶつかることもなく中学生では反抗期に入って違う形で怒りを発散してしまった。


そんな激しい両親の喧嘩が始まってからは


— 早く早く早く早く….自立できる経済力が欲しい

 経済力がなければ代わりになる人が欲しい


そんな風に思うようになっていた

バイトバイトバイト毎日働けるだけ働いた




両親の不仲がより一層加速したのは高校二年生の頃だった

姉は社会人になり、彼氏との同棲をしていた。

兄は6年生の大学受験の勉強に専念する為、

祖父母へ避難した。


自宅にいるのは私一人になった


一人で受け止めるにはあまりに過激な物があった


情緒不安定な母

その原因である父

父は必死に母が結婚して以来ずっと溜め込み続けた不満と怒りを宥めようとしていた


急に母から言われた言葉


『ママ、離婚しようと思う。あんたどうする?』


ママの瞳から消えた生きるという力

急に消えた物では無いのだろう

何十年とかけて積み重なってきた苦しみが

ママの瞳から全てを消したんだと思う



あの頃ママは何かと私に聞いてきた

『パパはこんな事を結婚してからしてきたんだ、あんたはどう思う?』


私は今なら理解してあげれて、ママが望んだ言葉をあげれるのに

あの頃は自分の闇に呑み込まれていて、言ってしまった


— 離婚したいならすれば?毎日そんな事聞かされてうんざりする!



きっと….ママは育てた時期が少なかったにしろお腹を痛めて命をかけて産んだ娘にだけは味方であってほしかったはず


ママが言った言葉は、悲しみと怒りと苦しみが白濁したようなトーンで


『あんたなんか産まなきゃよかった』だった



— 産んでくれって言ったの?勝手に産んでおいて、毎日毎日気がおかしくなる!



それだけ言って逃げるように2階の自分の部屋に籠った




ねえママ、今なら分かるよ

ママの何十年と抱えた悲壮と葛藤を

どうして娘なのに包めなかったのかを。

血の繋がりがあっても壊れる


いや、あの頃の私は壊れてしまえばいいとさえ

思っていたのかもしれない


だって私からしたら、



あって、なかったような物だったから

家族って…..



誰かに救われたくて救われたくて

手を差し伸べて欲しくてもがいていた


その裏腹に”大人とは”への不信感は

募るばかりで何も溶けてなくなってはなかった




バイトは飲屋街の中心にある女性スタッフだけの

居酒屋というなのガールズバーに近い形のバイトだった


飲屋街というだけあって、色々な大人を見れた


バイトは高校生は早く上がらねばならない


バイト終わりには夜の街に消えた


高校生にしてはドリンクバックなんて粋なものがある割りのいいバイトで、朝までフラフラして学校の始まる前にタクシーで家に帰っていた



その頃には両親は喧嘩のエスカレートと、それによって私の情緒が乱れるのを理由に近くにアパートを借りていた。朝に実家に帰ってくる二人

私はその前には帰って寝たふりをして学校に行かなくなっていた





— その頃に出会った人


暖かさを教えてくれた初めての人

今まで恋愛はしてきた


でも捻くれていた私には相手は何かに使えるという利己的な計算か、寂しさを埋めてくれる相手にしかすぎなかった

それを愛と呼ぶには軽すぎて薄情すぎて私は私をそれで最低な人間にしていた

それが楽だったからなだけで、逆を返せばそうやって自分を守っていただけの自分よがりな行為だったはず




暖かさをくれた人は周りからは理解される事もない様な人だった

16歳の私と46歳の彼

周りに話せるはずがない

下手したら気持ち悪いと言われかねない話だ


でも彼は行動で”愛する”ということを教えてくれた初めての人だった

もしかしたら高校生だったからなだけかもしれない。でもそんな事は、喉が痛くなるくらいカラカラの口渇状態に愛に飢えていた私にはあまり重要ではなかった



勿論、捻くれていた私が最初からそれを受け止めて素直になれていたかと問われたらそんなはずはない





—— だって大人って、男って、私の身体しか欲しくないんでしょ?






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