文学フリマって知っていますか?
少し記憶違いがあったので修正しました。
文学フリマって知っていますか?
私が初めて参加したのは、昨年1月の文学フリマ京都7でした。
同人活動は二次創作でコミックマーケットにも出るくらい、そこそこ慣れていますがそれは二次創作での話です。
二次創作では刷った分が即日完売くらいは売れていたのですが(とはいえ弱小なのでそんなに刷っていません)、一次創作でしかも知名度が一切ない私。しかも漫画ではなく文章です。
同人活動は数年休止していて、久しぶりにやろうと思ったきっかけはコミックマーケットが100回を迎え、お祭り気分のたった1度参加しようと思った事がきっかけでした。
コミックマーケット1日目は台風が直撃し、ほとんど客足がありませんでした。
どれだけ売れるのか分からないまま数量を抑えて印刷した、はじめての一次創作を携えてのイベントでしたが、売れる売れないの前に「誰も通路を通らない」という状態でした。
コロナ禍で人数制限もされていたのですが、それにしても人が居ない。こんなことは、私のコミケ人生で一度も経験したことがないくらい閑散としていました。
お隣の人にいつもこれくらいしか人がいないのですか?と聞いてみたのですが「分からない」と言われてしまったので、いつもこんな程度しか一次創作には来ないのかどうかは分かりませんでした。
コミックマーケットの惨状を見るに、一次創作オンリーイベントでないとダメかな?と考え、探していたところ「文学フリマ」に出会いました。時期的にはもう9月の大阪が終わったあたりで、近場で申し込みできる場所が京都しかなかったというのが理由です。
イベントがどんな様子か分からず、参加したよエッセイなども読み散らかし「何とかなるさ」で参戦したのが文学フリマ京都7でした。
出たジャンルは「ラノベ」。初出店で名前も知られていませんが、少しは売れると期待していました。
はい、全然売れませんでした。
人があまり通らず、コミックマーケットの悪夢が蘇りました。この時、本当に過去最高の人手だったのか?と思うくらい人が通らなかったのですが、休憩を兼ねて色々見に行くと別ジャンルの島には人が沢山で、ああ配置された場所が悪かったんだなと思いました。
色々調査がてら回って、席に戻るとお昼を過ぎた頃から人がまた一気に増えました。
少年二人組が机の前を通り、中身をパラパラッとみて展示されていた本をポイっと机に投げ戻し
「200円なんて高い」
と言い捨てました。
誰でも買いやすいようにと、採算度外視で付けた値段の200円。何なら大赤字です。
しかし「手に取って見た本を投げ捨て」「高い」と捨て台詞を吐かれる。これはすごいイベントに出てしまったと悲しくなりました。
そりゃあ、お金をかけた凄い本は沢山ありますよ?
だけどそんな態度、流石に酷すぎませんか?
もしイベントに初めて来たのだとしても、印刷代・製本代がいくらかかっていると思っているのでしょうか。
こんな思いをするくらいなら出るのはやめようと……思わないのが私です。
こんな悔しい思いを二度としたくない!と思いました。
念のため捕捉ですが、こんなことは激レアの現象です。本来なら創作をする人はこんなことしません。今までの同人人生でも失礼なことを言われましたが(初めての参加で持ち込んだ本がコピー本だったことを隣の人が「コピー本しかない」とあざ笑われるなど)嫌なことをする方が悪いと思っています。
それから、本当にレアケースで、イベントの雰囲気はすごくあたたかい場所です。
その後、コミティア・文学フリマ大阪・文学フリマ東京に続けて出展しました。
文学フリマ大阪では、SHOWVELという無料配布の「ウェブ作家が教える面白いウェブ小説」という雑誌を携えた効果もあってか、あまり売れたという印象はありませんでしたが、蓋をあければ過去最高に売れていました。
ただ、大阪でも悲しい事もありました。わざわざ話しかけに来たかなりお年を召した男性が、受け取ったSHOWVELを見もしないで二つ折りにしてポイっとしたのです。
ショックでした。わざわざ話しかけてそれはないでしょう?と。無料配布はお金がかかっていても一円も入ってきません。
確実な赤字。そう、無料配布は100%赤字です。しかも普通に出す小説本より数を刷るので印刷代がそれなりに出ます。書いた人・貰った人が喜ぶ姿を見たくて作ったのに、目の前で雑に扱われた事でショックを受けました。
しかし、次の東京出店で出した2号は沢山の人に喜んでいただけました。
東京では「無料なんでしょ?」と、歩きながら奪うように取って行く人もいて「ああ、そんな奪い取る形じゃなくて、少し話をしてからもらってほしかった」という悲しい出来事がありました。
そのように紆余曲折ありましたが、二度目の文学フリマ京都(文フリは3度目の出店)で3号を出す頃には「貰いに来た」と言う人がいるくらいには認知もされるようになりました。
しかも京都では不快な思いを一度もすることなく配り切ることもできました。
貰った人はみんな嬉しそうですし、参加した作家の皆様も印刷された見本誌が嬉しいと仰ってくれ、掲載された方々は、私の目論見でもあった「実際に印刷されたら嬉しいし楽しいでしょ?」を体験いただけたと思っています。
実際、自分で印刷入稿をして本の装丁を作るのは、はじめてだと難しいと思います。
ですが、この雑誌の場合は編集・印刷は私が全て行います。規定に則った文字数で原稿を書くだけなので、印刷への難易度は格段に下がります。一度体験された作家様が、何度も書きたいと手を挙げてくださるのも嬉しい限りです。
実は昨年に入ってすぐから体調を崩し、毎日生きていることもシンドイ日々が続いています。原因は極度の貧血で、その貧血はかなり大きい子宮筋腫から来ていました。
一時は立つことすらもまともにできませんでしたが、イベントに行けば辛さが吹き飛ぶという不思議……だから元気そうに見えるので、病気で辛いというのはあまり伝わりません。でもイベントに出たら元気を貰えるのだから仕方ないです。
今年の夏は手術も控えていますが、私はこのイベントに出ること、本を出すことに生かされていると感じています。楽しい!が今の私に生きる活力となっています。
小説を書くこともままならないのに、本は作れる。それは作家の方々が寄稿したいと手を挙げてくれるから出来るんです。ひとりの力では出来なかったので感謝しかありません。
貧血状態が長く続いていたこともあり、頭がまともに働かず考えることが難しいせいで、今もまともに働けてはいないので、いつまで無料配布が出来るか分かりません。
けれど、私のやりたいを形にするため寄稿してくださる作家の皆様方、そして読者の皆様が手にして喜んでいただければ、すべてが活力になります。
自分が印刷所に入稿して刷った本を、リアルで人と話しながら手に取ってもらう楽しさを味わえる、イベントは格別です。何と言っても、普段はゾンビのような私が笑顔になれる場所になっていますからね。
来る5/19に文学フリマ東京が開催されます。
またウェブで繋がった方々がおススメされるウェブ小説が掲載されたフリーペーパー、SHOWVEL最新号を携えて、私は出展します。
そんな楽しいイベント「文学フリマ」は全国で開催されているので、是非一度足を運んでみてください。ウェブも楽しいけどリアルも楽しいですよ!
一度体験したら、きっとまた行きたくなると思います。
捕捉すると、マナーが悪い人というのは必ずいますが、私が当たられ屋なの?というくらい、そういった人を引き寄せる能力が強めなだけで、普通の人はそうそう当たりません。
本を最初から最後まで読み込み爆笑したのに買わない、とか。半ストーカー状態の男性客、とか。色々います。本当に色々ありましたが、それも良き経験でした。
参加者側の視点としましては、無料配布を貰うならせめて少し話するくらいしてほしいです。その時に何か買ってくださいなんて言いません。ちょっと見て行ってとは言いますが(買う方からしたら同じですね)直接買ってくださいよ~なんて言いません。
もちろん、100円の本1冊くらい買ってほしいとは思っていますけど、買ってほしい!は出店側全員が思っている事なので……出店する側もブース代にはそこそこお高い金額を出していますから、余程売れているサークル以外は出店料・印刷代・交通費含めるとほとんど赤だと思います。
もし、次も見たい!と思われるなら、ただ貰うだけではなく、なぜ欲しいと思ったかを少しお話くらいしてほしいと思います。表紙が良かったから・無料だったから・掲載内容に興味を持ったから……何でもいいのでお話することで、次の創作のヒントにもなります。
買う側も売る側もマナーを守り、楽しい創作をしましょう!