ファンのブログ記事
花川先生が亡くなり、一週間たちました。先生のファンサイト「花組!」を運営する私にとっても、とても悲しい一週間でした。花川先生にはご冥福をお祈りします。
先生の作品は、巧みな心理描写でメッセージ性の強いところが好きでした。ちょっとイヤミスっぽいですが、心に刺さるというか。先生は本当に作品を子供のように愛していたと思います。後書きやインタビュー記事でもそう語ってました。だから、商業主義の担当編集者や編集長とは合わなかったみたい。これは私の憶測ですけど。
先生の作品は絵もすごいんですよ。書き込みが丁寧で、ネームもセリフ一つだけで何時間も悩むんです。そう、緻密な工芸品のような作品なんですよね。単なる女性向けの漫画と表現して欲しくない。
先生の遺作「ナカミヤトモミの事件簿」も読みました。ちょうど自殺する前日に発売されたようです。電子書籍の自費出版だったみたいです。今は出版社を通さずにこんな出版も出来るんですね。五十ページほどの短編ミステリでした。
主人公はナカミヤトモミ。私立探偵でカルト教団の闇を暴く過程が痛快でした。面白い。いつもの先生のエンタメ作品で、宗教二世の心の闇もよく伝わってきます。きっと社会風刺というか社会問題と毒親がテーマだったのでしょう。
世間では遺書がわりの作品と言われてますが、いつもの先生の面白い作品。遺書かどうかはわかりません。ファンへ向けた最後のメッセージって思いたいですが、今だに先生が死んでしまった事が信じられません。また新しい作品が出るんだ、単に休業しているだけだって思いたいです。
先生はデビューしてから長期休暇はなかったんじゃないかな。結婚した時も雑誌のインタビューでそう語っていて、子供も作れないだろうと言ってましたが、まさかこんな事になるなんて。今はファンのためなんかに作品を書かなくていいから、休養してほしかった。温泉行ってご馳走でも食べれば死にたくなくなるんじゃ無いかって。そんな事すら考えてしまいます。漫画家の労働環境は劣悪だと聞きます。アニメーターもそうだし、良いものを造るクリエイティブな人にこれっておかしくないですか。
それにネットも今回の事で本当に嫌になりました。「ナカミヤトモミの事件簿」は、ピラミッドや片目が描かれているので、先生が秘密結社・イルミナティの信者とか。表紙のデザインが赤・黄色・緑の三つのカラーを使っているから、カルト教団Mの信者で、だから人気が出てメディアミックスされたとか。デマや陰謀論はやめてほしいです。
先生の旦那さんにも誹謗中傷が多いみたいです。一般の方なのに、なぜかネットで叩かれていて、本当に心が痛いです。旦那さんが自首なんてしたのは、錯乱状態だったからとも言われていますが、私もそう思います。ネット民のせいですよ。そこまで遺族を追い詰めて楽しいですか? 旦那さんがDVをしていたとか、事実無根でしょう。例えそうだとしても、なんでその事をネット民が知ってるんでしょう。事実無根です。デマです。陰謀論ですよ。
インプレッションや動画再生回数を増やすために、そんな事をやっているんですかね。特にたちが悪いのは、霊媒師が口寄せして先生の言葉を発信している事です。あれで動画再生数稼げているようで、何回も先生をネタにして動画をアップしているようです。人の死を利用して本当に酷いなと思います。
先生がカルト教団Mの信者だったとか。旦那さんがDVしていたとか、そんな過激な話題だとネットでお金稼ぎできるんでしょうね。炎上ビジネスですね。嫌な世の中です。
それに先生が生前、メディアミックスした作品にも飛び火しているんですよね。プロデューサーや脚本家の方への誹謗中傷も多いようですが、私のような長年のファンはそんな事はしません。
確かにメディアミックスでは原作とは大きく違いましたが、先生も編集の方と一緒に戦い、意外と原作通りにはなっていたんです。確かに原作とは違った部分はありましたけど……。
先生が亡くなった理由はわかりません。ただただ今は悲しく、ネットでの野次馬たちに憤りを感じます。
そんなネットの憶測ですが、他殺説だけは見てしまいます。日本の自殺者は、だいたいが他殺体。とくにM教は警察とも癒着しているから、カルト絡みの他殺体は自殺として処理されるとか。先生がM教の信者で、脱退しようとしたら殺されたっていう憶測だけは見てしまう。
それぐらい先生の自殺が受け入れられません。他殺だったら、まだ少しは気分が楽になるというか……。自殺は残された者の心を壊しますね。先生の旦那さんの気持ちを想像するだけで苦しいです。もうネットで誰かを叩くのは辞めてください。デマや陰謀論でアクセス数稼ぐのも辞めてください。私が望む事はそれだけです。